2017年4月30日日曜日

金正恩 アメリカ軍 中国

金正恩の資質は未知数だと思います。彼は資質を推し量ることがとても難しい立場にいると思います。
ただ“金正恩は経験と見識が乏しい”、それは経歴からしても北朝鮮から発信される情報からも明らかなことだと思います。また彼の立場では、彼自身が自国および国際社会の現状を正しく認識することは難しいと思います。
つまり彼は正しい見識を蓄積できない状況にあるということです。そして本人がそれを自覚しにくい状況でもあるということです。
独裁者とはえてしてそういうものだと思います。
それに彼は一国のリーダーとしてはまだ若く、若さは思考の方向性や価値観に小さからぬ影響を与えるものだと思います。
今の彼は“経験と見識に乏しい思いあがった若造である”と見ていいと思います。それ自体が現在の国際社会にとって危険因子の一つだといえるような気がします。
そして彼の資質が未知数であることは、北朝鮮の内政や朝鮮半島情勢や国際社会において不安定要因になっていると思います。


 オバマ前大統領の方針もあって、前政権時代のアメリカ軍は抑制的だったと思います。予算を削られ、活動を抑えられていたのですから、軍上層部の中には欲求不満をため込んでいた者がいたのかもしれません。
 トランプ大統領は選挙期間中から、強硬的な発言が目立ち、軍を動かすことに関しても触れていたと思います。そんな彼が大統領になったのですから、フラストレーションを抱えた軍上層部の人たちはここぞとばかりに、見える動きや、見えない働きかけをしているのかもしれません。
 トランプ大統領は軍事に関しても政治に関しても経験がないのですから、海千山千の軍上層部からすれば素人に見えるのかもしれません。
 しかも彼の言動から察して、軍人にとって好ましい考え方や価値感を持っているような気がします。
手練の軍人からすれば、トランプ大統領は“御しやすい”とみえているのかもかもしれません。“扱いやすい素人”と目されているかもしれません。
 ただし、予算が削られ、行動が抑制され、フラストレーションがたまっていたとしても、ここで本格的な戦争を始めるつもりは、軍上層部にもないと思います。
どこであれ、今、戦争をすればアメリカ合衆国もアメリカ軍も疲弊することは、欲求不満をため込んでいる軍人にもわかることだと思います。


 中国は北朝鮮と経済的な結びつきが強いと聞きます。今の中国は北朝鮮を支援しているのではなく、商売をしているということになると思います。
 商売をしているということは、お互いに何かしらの益があるものと思います。中国は北朝鮮と商売することで、儲けを得ているものと思われます。
つまり中国のなかには、北朝鮮と商売をすることで儲けている人がいるということになると思います。
そして中国で儲けるには、官を取り込むことが不可欠であり、それは当たり前のように行われてきたと聞いたことがあります。中国においてある程度の立場にある人のなかで、北朝鮮と商売することで儲かっている人がいるのかもしれません。儲けている人は、それを手放すことはしないものだと思います。
それに儲けるには、表立ったことばかりやっているわけではないと思います。

このところの北朝鮮の動きによって、中国にはどのようなメリットがあって、どのようなデメリットがあるのかを考えてみます。
デメリットの一つは“中国は北朝鮮を抑えるべきだ”とか“中国は北朝鮮を抑えられていない”などと、国際社会から批判を受けることだと思います。
ただそれは直接中国に対する批判ではなく、あくまでも北朝鮮に対する働きかけに対するものだと思います。直接批判ではないのですから、どれだけ強く批判されても、その強さには限りがあると思います。
中国のメリットとしては、自国でアメリカをけん制しなくても、北朝鮮がやってくれているということが挙げられると思います。そのメリットは小さくないと思います。
しかし、もし北朝鮮がやりすぎて、本格的な軍事衝突が起きてしまっては、中国は面倒な立場になりかねないと思います。
アメリカも、北朝鮮の危険度は高まっていると見立てているものの、戦争をしたいわけではないと思います。
そう考えると今の中国は“北朝鮮に働きかけているものの、いうことを聞かずに困っている”という姿勢を、世界に示しておけばいいような気がします。それはそれほど難しいことではないような気がします。
北朝鮮と商売をして儲けを得ること、北朝鮮が適度にアメリカを挑発してくれること、それは中国にとって好ましいことだと思います。