2015年10月10日土曜日

政治家の問題を解く能力

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2015年10月 10日「政治家の問題を解く能力」


概要
『各国の産業を特化させる仕組みになりそうな気配がしてきた』
TPPの本質からして、輸出産業は有利になり、輸入品に対して対抗力が強くない産業には不利になることは、避けられないと思います。
 日本に目を向けると、やはり農業には打撃となる可能性が高いように見られます。ただ国がお金を渡して保護するという従来の方針では、日本の農業は産業として弱くなるばかりだという気もします。TPPが発行すると、日本の農業は国際的な競争にさらされ、それが刺激になり、活性化する可能性はあると思います。
 しかし日本農業は、規模の生産性などにおける国際競争力は低いと思います。品質や安全性などの競争力は高いといわれますが、それを武器にして輸出量を劇的に増やせるかというと、難しいこともあると思います。
また日本製の工業製品の品質の優位性を守ることは、今後難しくなる一方だと感じます。他国の追い上げが厳しいように見えるのです。
それに工業製品の関税が撤廃されても、為替の変動に関するリスクを抑えることや、人件費などのコスト面で現地生産には利点があると思います。
TPPの構想が打ち出された時と今とでは、日本の産業構造が変わっているような気がします。TPPは外国に売るものが多い国には有利に働きやすく、外国から買うものが多い多い国は不利に作用しやすい仕組みだと思います。
これからの日本は、国全体でみるとマイナスのほうが大きいかもしれません。しかし、日本がTPPに加わらないという選択肢はなかったと思います。GDP世界第三位ですし、輸出大国、経済大国、工業大国というプライドとイメージが依然として強いことからも、日本はTPPに参加しないわけにはいかないと思います。
これからもTPPに関連して難しい課題がいくつも出てくると思います。
政治家にそれを解く能力があるだろうかと考えると、心もとなく感じます。