2013年11月25日月曜日

世襲議員は民主的に生まれるもの



 日本の議員は選挙で選ばれます。世襲議員も有権者が選んでいるということになると思います。
ただ選挙は、必ずしも積極的に支持している候補者に投票するわけではないと思います。『他によさそうな人がいない』とか『世襲には反対だけど、政策には賛同できるから』という理由で票を投じることもあると思います。
それに、世襲であっても落選することもあるように見られます。

ただ現時点で世襲議員が大勢いるということは確かだと思います。
政治家の子供や孫や親類などは、立候補することが多いのだと思います。
また、政治家の子供や孫や親類などは、当選しやすいのだと思います。

立候補する人が大勢でいて、当選しやすいのですから、世襲議員は増える一方だと考えられます。
いずれ、ほとんどの政治家が世襲になることも十分にあり得ると思います。
いずれこの首相は、元総理大臣の子供や孫や甥や姪が就くことが慣例になるかもしれません。
揶揄ではなく、現実としてあり得ると思います。

では、それは国にとって”いいことなのか”それとも”よくないこと”なのか考えなければならないと思います。
ここでは何回が書いていますが、個人的な考えですと、”よくないこと”だと思います。
資質や能力ではなく、家柄や血筋で政治家が選ばれるのですから、政治家全体として資質や能力が低下することが考えられます。
近年、政治家の質が低下していると、強く感じられることがあるような気がします。

政治家の子供や孫や甥や姪が、必ずしも資質や能力が低いとは限らないと思います。しかしその人たちが議席を占めてしまうことで、政治家と家柄や血筋の繋がりがないものの、高い志と見識と知性と道徳心と公共心と洞察力と判断力と行動力を具えた人物は政治家になりにくいと思います。

それでも政治家の子供や血縁者に票が集まるものだと感じられます。
それは親の知名度が高いことや、地盤を引き継がせたいという地元有権者の思惑があることが理由の一つだと思います。
また、親の秘書などを務めることで政治に関わっている政治家の子供も多く、それは立候補する理由の一つになるような気がします。
政治に関わる仕事をしていることで、政治に関わる人間とのつながりも親から引き継いだり、自分で築いたりしていることが、選挙では有利に働くこともあると思います。

そして政治家は金をたくさん持っていることもあると思います。
そして政治家は金をたくさん集められるということがあると思います。
それはどんなにきれいごとをいってもなくならないと思いますし、なくなれば日本がすばらしい国になるかというと、必ずしもそうだとは言い切れないと思います。
そのためか多くの人たちが、『政治家は金持ちだ。そして政治家には金が集まる。そういうものだ』という印象をもち、それを受け入れているように感じられます。

ではなぜ政治家には金が集まるのか考えてみます。一般的な見方をすれば、金を出す人がいるからだと思います。
ではなぜその人は金を出すのか考えてみます。一般的な見方をすれば、出した金より多くの金が入ってくると見込んでいるからだと思います。
ではなぜそれが連綿と続いているのか考えて見ます。一般的な見方をすれば、思惑どおりに金を得られているからだと思います。

そうなると政治家は、政治家を”家業”のようにして、代々受け継いでいこうとすると思います。
また政治家に金を出している人たちは、その政治家が引退してもその”政治家の家”が引き継いで欲しいと考えるものだと思います。
そうすれば、これからも政治家に出した金より、多くの見返りがあると期待されるものだと思います。

それは、”オイシイ思い”をする人たちは、代替わりを続けてずっと”オイシイ思い”をし続けるといえるかもしれません。
世襲議員が増えるということは、限られた人たちが”オイシイ思い”をする傾向を強めるといえるかもしれません。
それが国にとって”いいこと”なのか、”よくないこと”なのか考えると、どうしても”いいこと”だとは思われないのです。

次の国政選挙まで時間があると思われます。その間に、世襲議員が増えることが国にとって”いいこと”なのか”よくないこと”なのか、よく考えるべきだと思います。
そして次の選挙でその考えを示すべきだと思います。
世襲議員は民主的に増えることもあれば、民主的に減ることもあると思います。