2013年11月15日金曜日

早期に行き渡らせることの重要性


 フィリピンの巨大台風による被害が連日報道されています。
それを見聞きする限り、状況は悪いほうへ向かっているように感じられます。略奪や暴行が見られるようになり、銃器によって命が奪われる事態が起きていると聞きます。
救出作業さえままならないなか、被災者に物資が届かず、治安は急速に悪化しているようです。
その悪化は加速しているような印象を受けます。
そうなると、出来るだけ速く手を打たなければならないと思われます。対策に時間が掛かるほど状況は悪くなり、状況が悪くなるほどに、対策が難しくなると思います。
支援物資を空中から投下するような取り組みをしても、その奪い合いがおきて死傷者が出たり、暴動に発展したりするもしれません。

また、巨大な災害に見舞われ瓦礫と化した場所では、略奪や暴行を取り締まることは、平時とは大きく異なると思います。まして暴動が起きたとなると、手がつけられないことになりかねないような気がします。
やはり一刻も早く対策を講じる必要があると思います。
しかしそれが困難な状況にあると見られます。
救助や医療支援ともに、支援物資を行き渡らせることと、治安を維持することも火急を要すると感じられますが、災害そのものによる被害だけでもあまりにも大きく、また台風が過ぎた後も天候が悪い日が続き、具体的な手段が見出せていないような印象を受けます。

そんななか、世界中から支援や救助が到着していると聞きます。少しでも状況がよくなることが期待されます。
そのためには、全体を取りまとめることが必要だと思います。このような大きな災害では、しっかりした指揮系統を早期に確立することが重要だと耳にします。
政治的なわだかまりや思惑などは全て脇におき、今は人道的な考えを最優先しなければならないような気がします。

今さらになりますが、このような巨大災害では、発生直後の支援および救助活動が非常に重要に思えてきます。
迅速な救助活動を行いながら、もし災害発生当日中に、被災地での衣食住に関する物資を行き渡らせることが出来たら、略奪や暴行が大きくならずに済むかもしれません。
支援物資の不足が、ものを奪う行動に走らせ、奪うために暴力を振い、銃器を使うようになっているという見方があると思います。

また、物資がないため、ものを奪って売りさばこうとする者もいると聞きます。
支援物資を早期に、かつ広範囲に行き渡らせることが出来たなら、そのようなことは起きにくいと思います。すっかりなくなることはないと思いますが、治安の悪化を加速させないことは確かだと思います。
早期に物資が行き渡るということは、生きていくことに対する実質的な助けになると思います。また素早く支援の手が差し伸べられていると感じられることは、心理的にいくらかでも不安を和らげる効果があるような気がします。
災害において、その心理的な効果は思いのほか大きいかもしれません。

食料、医療、衣服、雨具やテントや寝袋など、それらを迅速に被災者に行き渡らせることが、救助活動や治安維持にもいい影響を及ぼすような気がします。
しかしまさにそれが、非常に困難なのだと思います。地上の道路は分断され、悪天候で航空機の運用が制限され、燃料が不足するなかでは、方策が見出せないような気がします。
そのように考えるほど、いざとなってからでは手遅れだと感じられます。

しかし、事前に対策を講じておくことも容易ではないような気がします。
陸からも空からも動くことが出来ず、また動くための燃料が手に入りにくい状況を想定すると、いったいどのような手段で、被災者に支援を行き渡らせるか、なかなか考えつかないのです。
またこれほどの大災害では、現地に備蓄していたとしても、被災することで失われてしまうだろうと思います。

このように考えるほど、改めて事前に体制を作っておくことが重要に思えてきます。
それは世界各国でいえることだと思います。
記録などを調べたわけではありませんが、世界中で自然災害の規模が大きくなっている印象があります。
それも相当に大きくなる傾向があるように感じられます。
”巨大災害”が発生する頻度が高くなっていることを、理屈ではなく感じている人も少なくないような気がします。

しかし、いざ災害がおきてから、対策を考えていたのでは、事態は急速に悪化するように見られます。
”いざというとき”の基準値を上げて、それに対して考えうる限りの手を打っておくべき時代なのかもしれません。