2014年2月15日土曜日

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 ロバート・ゼメキス監督作品


先日ふと、リサイクルショップの店内放送を思い出しました。その店は全国チェーンで、古本を扱っている店舗や、電化製品を扱っている店舗、衣料品を扱っている店舗などがあり、そのいくつかを併設しているところもあります。

その店の店内放送は、告知・宣伝する内容が多いようです。

 

もう一年以上前だったような気がしますが、電化製品を扱っているリサイクルショップの店舗で耳に入ってきた店内放送を、なにかのはずみで思い出したのです。

その内容は、VHSビデオデッキの買取りを積極的に行っていることを告知するものでした。

当時は何気なく聞くともなしに聞いていたのですが、積極的に買い取っていることを告知しているということは、需要があるのだろうと思ったものです。

『きっと今でもVHSビデオデッキを欲しいと思っている人がいるのだろう。でも新品はもう売っていないのだろう。だから、リサイクルショップで探している人が少なからずいるのだろう』

 

僕自身、今でもVHSビデオデッキを使っています。販売用のビデオソフトの映画を見ることがありますし、テレビ放送された映画を録画したものを見ることもありますし、ヒーロー番組など、映画以外のテレビ放送を録画したものを見ることもあります。

それは何回か書いているような気がします。

僕にとっては、VHSビデオデッキは今でも必要な家電ですし、VHSビデオテープは今でも大切なものです。

 

ただ当然ですが、VHSビデオテープは古いものばかりです。そのため、見られなくなっているものがあります。

専門的なことはわかりませんが、テープ自体が劣化しているのか、映像と音声のどちらか、あるいは両方が再生されないことがあります。

また再生はされるものの、鑑賞に堪えられないほど映像や音声がよくないものがあります。

 

特に三倍モードで録画したものは、音声が非常に小さくなっていて、相当に音量を上げなければ聞き取ることが出来ないことがあります。しかも「ピー」という雑音が音声の背後で常に流れているような状態になっています。

そのため音量をあげると、その雑音も大きくなってしまい、とても耳障りに感じられます。

それでも、なんとか我慢できそうなときは、『まあ、見ているうちになれるだろう』と思ってみることがあります。

ただなかには『これでは気が散って、まともに見られないよ』と感じるものもあります。

「バンデッドQ」や「陽のあたる場所」を録画したテープはそのようになっており、今では見ることはありません。

 

また標準モードで録画したものでも、正常に再生されなくなっているものがあります。「カサブランカ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテレビ放送を録画したテープはそのようになりました。

それに当時は室内アンテナを使っていましたので、アンテナの向きによって映像の良し悪しが大分違うのです。テレビ放送を見ながら録画しているときは、室内アンテナの角度や向きを調整して出来るだけいい映像になるようにするのですが、留守中に録画した映画は、見るに堪えられないほど受信状態が悪い場合があります。

「スタンド・バイ・ミー」はそのようになってしまいました。

 

 そんななか、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を久しぶりに見たくなりました。

 少し前に「インナースペース」について書いたのですが、そこから「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を連想したのです。

 どちらの作品にも〔製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ〕と記されていました。劇場公開されていたころは、それが一つのジャンルだったような印象があります。その多くを僕は劇場で観ていました。

 その“ジャンル”に属する映画のなかで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はもっとも成功した作品の一つだったと思います。

そのようなことを考えていると「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が無性に見たくなりました。

 しかしテレビ放送を録画したVHSビデオが見られない状態になっていることは、ずっと前からわかっていました。

 

 そこでDVDを購入しました。久しぶりに見てみると、とても楽しい映画だと感じます。娯楽性が高い次元で上手くまとまっているという印象を受けました。

 随所に伏線をはることで物語をまとめるのは、あらゆる物語で見られることだと思います。この映画は、時間移動をする物語ですので、伏線を張りやすく、それを手法として生かしやすいような気がします。

 

 時間移動や、自分の出生に関わるタイムパラドックスは、この映画が作られた当時でも、それほど目新しいものではなかったと思います。

それでも、伏線のはり方と収め方にアイディアが生かされ、気持ちよくまとまるため、楽しめる映画に仕上がったような印象を受けます。

ただ、そのように理屈をこねずに、高い娯楽性に身をゆだねるように見るほうが、堪能できる作品かもしれません。