2014年2月16日日曜日

見ているだけです。買いませんよ。


 先日、映画のDVDを何枚か購入しました。無性に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が見たくなったのですが、テレビ放送を録画したVHSビデオは見られる状態ではなくなっていました。

 またこの作品は数年前、「午前十時の映画祭」と銘打たれた企画で取り上げられ映画館で上映されたのですが、僕は観る機会がありませんでした。

 

 VHSビデオが見られなくなっていること、映画館で上映されたときに観られなかったこと、それらが“無性に見たい”という気持ちに拍車をかけたのだと思います。

 そこでDVDを購入することにして、インターネットのショッピングサイトを開きました。お店に足を運んで買おうという発想は、はじめからありませんでした。

 数年前に映画のDVDを買ったときも、やはりそうでした。

 

 考えてみれば、映画のDVDを買ったのは数年ぶりです。前回はここでも書いたような気がします。でも書いたことは記憶にあるのですが、その内容はよく覚えていません。

今回は読み返さず書きますので、もしかした思い違いや記憶違いなど、前回書いた内容と矛盾があるかもしれません。

ただ前回、購入した映画のDVDも、“見たいけど、手元にない作品”だったような気がします。

VHSビデオにしろ、DVDにしろ、“映画”を持っていなければ、見たい時に見られません。

 

 思い起こすと、映画のDVDを実店舗で購入したこともあります。もう随分前だったような気がしますが、レンタル店の販売コーナーでした。販売用のDVDが並んでいる棚を端から見ていき、そのなかから数枚を買ったのだと思います。

 あの時は“あの映画が見たい”と、買う作品を決めていたのではありませんでした。並んでいる商品を見て、そのなかから選んだのです。ただそのような買い方は、その時以降記憶がありません。

“あの映画が見たい”つまり、購入する作品が決まっているのです。そうなると、実店舗に足を運んで探すよりも、インターネットを利用すると随分と手軽で楽です。

 

 書籍を購入するときにも、インターネットを利用することがあります。それに関しても、何度か書いているような気がしますが、やはり欲しい本が決まっているときは、インターネットは便利です。

しかし欲しい本を探して、何軒か書店や古本チェーン店をまわることがあります。

 結局見つからずに、インターネットで買うこともありますが、本屋さんを何軒かめぐることで別の本を買ってしまい、欲しかった本を手に入れるのは“またの機会にしよう”と思うこともあります。

 

 僕は、映画のDVDよりも本を買う頻度のほうがずっと高いのですが、インターネットで書籍を買うことは稀です。

 買いたい本が決まっているときは、インターネットのほうが便利なのは確かなのですが、それでも本屋や古本屋に足を運ぶのは、それ自体、つまり本屋さんに行って本を探すことが好きなのだと思います。

 また、“本”というモノも好きなのだと思います。僕が本や雑誌に求めているのは、そこに印刷された内容だけでなく、“本”や“雑誌”そのものなのだと思います。

“本”や“雑誌”そのものが好きのだと思います。

 

 今回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が無性に見たくなったため購入しようと思ったのですが、他の作品も合わせて買いました。

 そうすることで特典があったからです。ただ、「この作品を購入した人は、このような作品もチェックしています」と表示され、それを見ていると、“この作品も好きだな。でもビデオもDVDも持っていないな。ついでに買っちゃおうかな”と思ったのです。

“まさに売り手の思う壺だ”と思いながらも、“べつに騙されているわけではないし、少し安くなるんだからまあいいさ”と、自分に言い聞かせているようにしました。

 

「この商品を購入した人は、これらもチェックしています」

 それが目に入ると気になることがあります。また目に入る場所に表示されていると感じることもあります。

「あなたにおすすめの商品」

 そのように表示されることもあります。またメールが送られてくることもあります。そのような言葉はついていなくても、ショッピングサイトの広告には、過去にそのサイトで見た商品と同じ種類のものや、関連するものが表示されています。

 

 過去に購入した商品の種類や、ショッピングサイトで見た商品なのですから、それほど難しい分析をしなくても、閲覧履歴や購入履歴から簡単に察せられると思います。

 ただ、閲覧履歴や購入履歴が“おすすめ”という販売促進に使われていることに、なにか抵抗感のようなものがあります。

 

 最近、“注文を受ける前に発送する”いう発想があるようです。詳細はわかりませんが、それに関する特許が取得されたと聞きました。

 インターネットのショッピングサイトを見ている人が注文することを高い確率で予測し、発注する前から発送の準備をはじめるとか、受注前に物流拠点になる大型倉庫から各地の配送拠点に向けて送り出すなどの、物流方法なのかもしれません。

 閲覧時間や回数、過去の購入履歴などから、注文をするかどうかを分析、予測するのかもしれません。それは人の行動を読むことであり、それは即ち人の心を読むといえるかもしれません。

 そのようなことを考えていると、僕は生来へそ曲がりなのか、その分析と予測を外してやりたいという気持ちが芽生えてきます。