2014年2月2日日曜日

人間の体のなかで


 インターネットテレビをみるようになったころ、映画を見ることが多かったと思います。

 映画館で新作を見ることがなかったため、「アメリ」や「戦場のピアニスト」は、インターネットテレビで初めて見ました。

 

 また「ダーティーハリー」シリーズや、「2001年宇宙の旅」「カサブランカ」など、好きな映画が配信されたときは、出来るだけ時間を作って見ていました。

 ただ見ようと思っていたものの、気づいたときには配信期間が過ぎていたこともあります。

 最近はアニメを見たり、音楽を聞いたりすることにこのサイトを利用することが増えています。配信されている映画にもよりますが、映画一作をみるには、ある程度まとまった時間が必要だということもあると思います。

 

 いつごろだったかよく覚えていないのですが、このインターネットテレビで映画「インナースペース」を見ました。

 1987年製作のアメリカ映画で、公開されたとき劇場で観ました。SFの要素があり、特撮の技術が盛り込まれています。物語はテンポよく展開し、全体的に楽しい作風だと思います。

 そのような雰囲気の作品はハリウッド映画には、かねてから見られると思いますが、この作品が公開されたころは特に多かったように感じます。

 

その多くに[製作総指揮スティーブン・スピルバーグ]と掲げられていたという印象があります。それ自体、映画のひとつの“ジャンル”になっていた感があります。

「インナースペース」もその“ジャンル”の一作です。劇場で観たときも、“とにかく楽しい時間を過ごすことが出来る映画”という印象を受けたのだと思います。

 インターネットテレビで見た時も、おなじように感じました。

 

 この映画の内容は、人間が人間の体の中に入るというものです。専用の乗り物と、その搭乗員を小型化し、人間の体内に入り探査するように動き回るのですが、色々な出来事が起こって物語は展開します。

 人間が小型化して人間の体内に入る。多くの人がそのような空想をしたことがあるのではないかと思います。SFや特撮ヒーロー、漫画やアニメ、など、空想の世界では昔からよく描かれていることだと思います。

 

しかしあくまで空想の世界だという捉えかたをしている人が多いような気がします。

SFなどの物語に描かれている事物のなかには、いつか現実になると思われるものがあります。

振り返ってみると、昔のSF映画に描かれていたものや、何十年も前に発行された少年向け漫画雑誌に書かれていたものに似ているものや、近いものが今の世の中には、当たり前のように存在しているものがあると思います。

 

しかし、人間が豆粒より小さくなって、人間の体内に入ることなど、現実ではありえない映画のなかの“お話”だと感じられます。

もし実現するとしても、あまりにも遠い未来で、自分が生きている間には到底無理だろうし、社会環境も地球環境も大きく変わっているのではないかという気がします。

 

そんな中、最新の医療機器について見聞きすることがあります。

何年か前だったと思いますが、カプセル状の胃カメラがあると聞いたことがあります。もしかしたらここで取り上げたこともあるかもしれません。

文字通り、飲み込めるほど小さなカプセルのなかに内視鏡が仕込まれていて、外部から遠隔操作できるもののようです。

あまり専門的なことはわかりませんが、従来の胃カメラのように管状のものを口から差し込むのではないため、被験者にとって“楽”だといっていたように思います。

 

この話を耳にしたとき、ふいに「インナースペース」が思い浮かびました。

カプセルは体内で、自在に動き回ることは出来ないのだろうと思います。まして、なかに人間が入っているわけではありません。外にいる人間が、カプセルのなかのカメラを操作して、映像を撮るのだろうと思います。

 

人間が人間の体内に入る「インナースペース」とは随分と違うのですが、ただそれでも人間の体の中に入ったものが、人間によって操作されて体内の様子を調べていると思ったため、その映画を連想したのだと思います。

それに技術がさらに進歩していけば、内視鏡だけでなく、カプセル自体を遠隔操作で自由自在に動かさるようになるかもしれません。

そうなれば、人間こそ乗っていませんが体内を探索するようなことが出来るような気がします。むしろ、もとの大きさに戻れなくなる危険を冒してまで、わざわざ人間が人間の体内に入る必要性はないような気がします。

 

その操縦できるカプセルがさらに小さくなれば、消化器のなかでなく、血管のなかや、もっと小さな場所に入っていける時代がくるかもしれません。

また、人間が外から操作しなくても、自律的に患部を見つけて撮影したり、ポリープを切り取るなどの医療行為を行ったりする、まさに超小型医療ロボットが現れるかもしれません。

それほど荒唐無稽な話ではないような気がします。

 

ロボットなどの機械の技術は、これからもあらゆる分野で発展していくことと思います。一つの分野での成果が、他のことでも生かされることも少なくないと思います。

ただ、人の命を奪うことよりも、人の命を救うことに技術が生かされるほうが、人類のためになるような気がします。