2014年2月9日日曜日

真冬の蜂


 ここ数日、やはり二月は冬の真っ只中だと感じさせる気候になっています。その少し前、もう冬も終わなのではないかと感じるような暖かい日がありました。

その日、窓辺で蜂を見つけました。詳しい知識はないのですが、アシナガバチだと思います。

その蜂は6本の足を胴と腹にぴったりとつけ、まるで“気を付け”をしているような恰好をしていました。あるいは硬直しているようにも見えます。

その姿勢のまま、まったく動きませんでした。

 

生きていないようにも見えるのですが、“真冬の少し暖かくなった日”という状況から、冬眠中に出てきてしまったのではないかと思いました。

 以前書いたことがありますが、春先になると、動きが緩慢な蜂を見つけることがあるのです。それは、いかにも冬眠から覚めたように見えるのです。

 しかし、先日見つけた蜂は、まったく動きませんでした。

急に気温が上がった日でしたので、人間だけでなく蜂も、もう春だと思って冬眠から目覚めたものの、出てきてみると、やっぱりまだ冬だったことに気づいたのかもしれません。

 

虫の中には冬を越すものがいるといいます。以前書いたことがありますが、卵の状態、幼虫の状態、繭の状態、成虫の状態、それぞれに越冬する昆虫がいるそうです。

その話を聞いて、春先になると見かける“のろのろした蜂”は、冬を越したものだろうと勝手に思っていました。

そんななか、スズメバチの女王蜂は冬眠するという話を耳にしました。

しかし詳しいことは聞き漏らしたので、女王蜂だけが越冬するのか、他の蜂はどうなのかなどわかりませんでした。

 

そのためいくつかの疑問が残りました。

僕は勝手に、春先に見かける動きが緩慢なアシナガバチを冬眠から目覚めたところだと思っていたのですが、それは女王蜂なのだろうか、それ以前にアシナガバチは本当に冬眠するのだろうか、それはそうと越冬と冬眠は違うのだろうか、などです。

そこでインターネットで調べてみました。

 

しかし僕はインターネットで調べものすることがあまり得意ではありません。それに時間をかけて多くのサイトを見たわけではありません。そのため、調べてみたもののよくわからないこともあります。とりあえずそのような調べ方で出てきたことを書いてみます。

 

スズメバチとミツバチとアシナガバチについて検索したのですが、それぞれ何種類もあるようです。ただどうやら、昆虫の越冬も「冬眠」と言っていいようです。

スズメバチは女王蜂だけが越冬する種類と、働き蜂も含めて集団で冬を越すのがいるようです。

ただどの種類も女王蜂は冬眠をするようです。

アシナガバチの冬眠や寿命については、くわしく書かれているサイトを見つけられなかったのですが、やはり女王蜂は越冬するようです。

 

セイヨウミツバチの女王蜂の寿命は1~3年とのことですが、もっと長いと書いてあるものもあります。数年間生きるのですから、当然冬を越えるはずだと思います。

またセイヨウミツバチの働き蜂のなかで、越冬期の寿命が140日とあるサイトがあります。「越冬期」というからには、冬眠をするのだろうと思います。つまり、セイヨウミツバチは女王蜂も働き蜂も冬を越えるのだろうと思います。

 

セイヨウミツバチの女王蜂の寿命に関しては、「最長で8年」といくつかのサイトに書かれています。

スズメバチとアシナガバチは冬を越すものの、女王蜂でも寿命は一年ほどのようです。それは成虫になってからの寿命ですので、幼虫の期間がどの程度あるのかわかりません。

ただ、どうやら巣は一年ごとに作られるようですので、幼虫の期間はそう長くはないのだろうと思われます。

 

 虫の寿命は短いという、漠とした印象があるような気がします。ミツバチの女王蜂は8年も生きるものがいると思うと、少し以外だと感じます。

 ただ、「最長」とついているのですから、かなり長生きした個体ではないかと思います。

 そのようなことを考えていると、ふと頭に浮かんだことがあります。

 

夏に何度か書いたような気がしますが、“セミは長生きする昆虫だ”ということです。

 セミは成虫になって一週間で命が終わるといいます。ただその前、幼虫の時期は七年間土の中で生きているといいます。そうなると、セミの寿命は7年と一週間ということになります。蜂は幼虫の期間をいれても、そう長くはないようです。

 

 セミのなかには13年周期で大発生する種類がいると聞きます。その種のセミの寿命は13年と数日ということになると思います。そうなると、鳥や哺乳類の小動物より長生きだと思います。

 何度か書いていますが、セミは生きている期間のほとんどを幼虫としてすごしているのだと思います。

 

もし、セミに意識のようなものがあったなら、幼虫が本来の姿であり、土の中が日常を過ごす場だと感じるかもしれません。

成虫は、命が終わる前の終末期形というか、命が尽きる直前に次の命を繋ぐための姿だと、思っているかもしれません。

 セミは、ずっと土の中にいたいのかもしれません。繁殖のために仕方なく土から出てくるのかもしれません。

人間が勝手に、自分が見える事象を、自分の価値観に照らして、決めつけているものかもしれません。