2015年6月13日土曜日

私刑の心理

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2015年6月 13日「私刑の心理」

概要
残忍な犯罪や、痛ましい事故について見聞きすると、犯人や加害者に対する怒りの感情が湧きあがることがあると思います。
『加害者やその家族の個人情報を、インターネットで晒す』『インターネットに晒された加害者の個人情報を拡散させる』『加害者の家族に嫌がらせをする』『加害者の家族の所有物を破壊する』それは怒りを発露させているのであると共に、『悪者をやっつける』という心理が働いていると思います。自分が正義の味方になったような気分になることもあると思います。
また既存メディアが未成年の加害者の顔写真を公開する場合、『加害者に社会的制裁を受けさせる』という意図が介在していることがあるような気がします。報じている者が、その意識を自覚していないこともあると思います。
ところで日本のイルカ漁を妨害する人たちのなかには、自らを『イルカを殺す悪者をやっつける正義の味方だ』と感じている人が少なくないと思います。しかしそれを自覚している人はいないと思います。
 イルカ漁は悪事であり、イルカ漁をする人を悪者だと心から信じ、実態や真実を聞こうとしない人が多いと思います。悪者がいなければ、正義の味方にはなれないからです。
妨害行為が違法だったり、社会通念上倫理に反していたりすることもあるようです。しかし『イルカを守る』という大義の下で、ヒーローになった気分を満喫して楽しんでいる人たちは、楽しみをやめさせようとする者や取り組みを『悪』と決めつけることで、ヒーロー気分を高めているように見えます。

ネット私刑をする者と、イルカ漁を妨害する人の心理には共通するものがあるのかもしれません。