2015年6月7日日曜日

国営放送と公共放送

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2015年6月 7日「国営放送と公共放送」


概要
中国には国営の報道機関がありますが、日本には国営放送はなく、公共放送があります。『似たようなものだ』という印象を持っている人が多いと感じます。しかし、本来は全く違うものだと思います。
 国営放送は、国がお金を出して運営し、国にとって都合がいい報道をする機関といえるかもしれません。それは時に、権力者のための報道機関という意味合いを帯びることがあると思います。
 対して公共放送は、国民から集めたお金で運営することで、国家権力からも市場原理からも縛られることはなく、国民のために、公正公平、中立的で客観的な報道をする機関だと思います。
国民のための報道機関であるなら、権力者に対峙する役割も担うことになると思います。マスコミは時に『権力』と目されることもあると思います。権力者や国を監視し、時に批判するのも、マスコミの役割だと思います。
「政府が右をいうのを、左というわけにはいかない」という言葉を耳にしました。撤回されたようですが、公共放送に対する認識としては、明らかに大きく間違っていると思います。
ところで最近は、公共放送だとこうことが周知されていると感じますが、少し前まで多くの国民が国営放送だと認識をしていたように感じます。それは『政府に寄っている』と感じているからかもしれません。首相が経営委員の任命権をもつなど、政府が何かしらの影響力をもっていることが、そういう印象を与える一因だと思います。
それと、公共放送が市場経済のなかにある組織であるからには、国民からお金を集めていても、利害が関わらざるを得ず、それは報道内容に反映されるものだと思います。
 また公共放送であれ、民間であれ、担当する人物の価値観や主張が報道内容に反映されるものだと思います。意図的である場合が多いと思いますが、無自覚なこともあると思います。
 こうして考えると、国民ひとりひとりが、報道を見極める目を持たなければならないと思います。