2014年4月11日金曜日

素朴な疑問


“シマウマはなぜ縞模様なのか?”

 そういう話題を目にしました。いつくかの仮説があるようですが、最近そのなかの一つが有力だとされる研究結果が発表されたようです。

 この話題はインターネットで読んだのですが、『いわれてみれば、どうしてシマウマは縞模様なのだろう』という疑問が浮かびました。

 そして『そういえば子供の頃も、そんなことを考えたことがあったっけ』と、思い出しました。

 

“カラスはなぜ黒いのか?”

 以前そのようなことを書いた覚えがあります。

 ここでは時々、生物の進化や恐竜の進化や人類の進化などについて書くことがあります。そのほとんどは僕の想像です。

つまり学術的根拠があるわけではなく、テレビ番組で目にしたことや、何かで読んだことや、過去に聞き及んだことなどを基に空想したことを書いています。

 カラスがなぜ黒いのかについても、そうだったと思います。

 今回は特に読み返しませんが、どのようなことを書いたのか思いかえしてみます。

 

 確か、木々の中では多くの日陰があり、そこでは黒色が目立たないのではないだろうか。日差しが強い森の中では陰の暗さが際立つため、黒色が保護色としての効果があり、森に棲んでいたカラスの祖先が黒くなったのかもしれない。ゴリラが黒いのもそのためかもしれない。そのように書いた覚えがあります。

 また昆虫や小動物など、カラスの祖先が捕食していた生き物が黒を識別しにくいためだったのかもしれない。またそれとは逆に、カラスを襲う生き物の目が黒を認識できないためかもしれないなどと書いたような気がします。

 

 そして、カラスについて書いているときに、『シマウマはどうして縞模様なのだろう?』という疑問が浮かんだような気がします。

 しかし深く考えることなく沈んでいったような気がします。

 人生で何度となく浮かんでは深く考えることなく沈んでいく、それは俗にいう“素朴な疑問”だという気がします。

『シマウマはどうして縞模様になったのだろう?』それは典型的な“素朴な疑問”といえるかもしれません。

 

 ただ冒頭に書いたインターネットの記事によると、“シマウマはなぜ縞模様なのか?”は、長い間多くの学者を悩ませてきたようです。

 僕にとっては、子供のころから何度となく浮かんでは、深く考えることなく沈んでいく、そんな素朴な疑問なのですが、明確な答えは今でも見つかっていなかったようです。

いくつかの仮説があり、学者による論争もあったようです。

 

仮説のひとつに、縞模様は“目くらまし”だというものがあるそうです。

縞模様のシマウマが群れていると、肉食動物の目では個体を特定しにくいのではないか。肉食動物は群れのなかから一匹を選んで狩りをするため、その一匹を認識できないと襲わないという考えのようです。

また、縞模様は体温を下げるためだという説もあるそうです。なぜ縞模様だと体温が下がるのかわかりませんが、サバンナで生きていくには、体温を下げる機能をもっていることは、生きていくために有効だろうという気はします。

それと、シマウマの間で個体を特定するためとか、同じ模様をしているものを仲間や家族だと認識して群れをなすためなど、社会性に関わる理由だという説があるようです。

そして、虫に刺されないためだという説もあるそうです。

 

 冒頭の記事では“虫に刺されないため”という説が有力だとする研究結果が出たと書かれていました。

 血を吸うハエやアブのような虫のなかには、菌を持っているものがいて、その虫に刺されることで感染した動物は命に係わる病気になるようです。

 シマウマの模様は、その虫に刺されないためである可能性が高いと考えられるそうです。

 その虫は縞模様を嫌うというか、一色が広がっている面に着くことが多いことが研究でわかったと書かれています。

 また、シマウマは他の動物よりも、虫に刺されることを不快だと感じているらしいとのことです。

 ただこの研究では、“シマウマの縞模様は虫にさされないため”だと断定することは出来ないようで、今のところの有力な仮説だということです。

 

 個人的に、上の仮説すべてに目から鱗が落ちる思いでした。

今まで何度となく、『シマウマはどうして縞模様をしているのだろう』と思ったものの、その理由を想像することなどなかったのです。

そのためいくつもの仮説があるとは思いもしませんでした。そして、こうしてみると、仮説のどれもがあり得るように思えてきます。興味深いと思いますし、感心します。

そして生き物の進化には、まだまだわからないことがいくらでもあるのだろうという印象を持ちました。

おそらく生物の進化には、いくつもの必然性と偶然性が関わっているのではないかと思います。

ふとパンダはどうして、あのような模様をしているのだろうという素朴な疑問が湧いてきました。その疑問が沈んでいく前に、想像してみようかなと思いました。