2014年4月21日月曜日

転職市場が活況だということは


 今月の初めごろ、転職について書かれている記事をインターネットで読みました。

 新入社員が入社したばかりのころに、転職を取り上げていることに興味を持ちました。その記事には、転職する年齢の限界は35歳であるという説が崩壊しているという趣旨の見出しがつけられていました。

 そして、最近「転職市場が活況を呈している」とあります。つまり転職する人が増えているということです。景気が回復しているという雰囲気によるところが大きいようです。

 

 以前は、会社の業績悪化から整理解雇になるため、急いで転職しようとしていた人が多かったようです。

 それがこのところ、自らの意思で転職しようとしている人が増えているとあります。より自分を生かせる会社や、よりやりがいのある仕事に就こうという人が、転職しているようです。

 企業も中途採用に積極的になっているとのことです。

 その理由はそれぞれの会社によって様々だろうと思います。固定観念にとらわれない人材を求める企業もあれば、経験を持っている人材を欲する会社もあるのだろうと思います。

 

ただ記事の見出しにあるように、年齢が高い人が積極的に転職しているようですし、そのような人を採用する企業も目立つようになっているようです。

受け入れる企業があることも、中高年の転職が増えている理由なのかもしれません。

 業種によっては、顧客が高齢化しているため営業職の年齢を近づけたいという考える企業もあるようです。

 また、景気回復の雰囲気が広まっていることによって仕事が増えてきたものの、これまで社員を減らしてきたこともあって人材が足りない企業があると聞きます。

そのような企業は、即戦力になる経験者を求める場合があるようです。

 

ただ中高年だけでなく、20代後半の転職も盛んだと書かれています。

新卒採用から数年後に転職することは、いつの時代も見られることだと思います。ただ、リーマンショックの後の不景気に就職した人のなかには、希望する職種につけないなど、“不本意な就職だった”という思いを抱いている人もいるような気がします。

そのなかには、転職によって“就職の仕切り直し”をしようという人がいるかもしれません。

それと女性の転職も増えているようです。政府の政策によって女性を積極的に活用しようという企業が増えると見込み、そのような会社をさがしているようです。

 

そんななか、「35歳転職限界説は、もはや崩壊している」と書かれているように、年齢が高い人の転職が特に盛んになっているようです。

そしてそのような転職を受け入れる企業も増えているようです。見出しには「転職大ブーム」という言葉も使われています。

そしてその動きは、業種を超えていることが多いとあります。つまり異業種への転職が盛んだということです。

業種、業界を超えた大きな人材移動が起きていると書かれています。

 

 それは経済全体にとって良い傾向という見方があると思います。

 少し前に「雇用の流動化」という言葉を頻繁に耳にしていたような気がします。

 国の景気をよくするために、雇用の流動化を進めるべきだという論旨だったと思います。

 雇用が流動化することは、その国の経済にとっていい影響を与える可能性は高いと思います。

しかし“やり方”と“時期”が重要だと思います。

 

会社が解雇しやすくするという“やり方”で、「失業なき雇用の流動化」を実現させようとすると、経済状況によっては国全体として給料が下がるような気がします。

リーマンショック前、企業は費用を抑えることで業績を上げ、国の経済は成長していたように見られます。

しかし、抑えた費用には人件費も多かったため、雇用は不安定になり賃金が下がった人が多かったような気がします。そのため、多くの国民は経済成長を実感していなかったと思います。

それに、このころからデフレが起きていたと思います。

それがリーマンショックによって加速し、この国の景気を長く停滞させたと感じます。

 

ただリーマンショック前の経済成長がなければ、もっと深刻な不景気になっていたかもしれません。

あくまでも結果論になりますが、それを承知でいうならば、リーマンショック前の雇用に関する政策は“やり方”と“時期”という点でみると、失敗だったと感じられます。

リーマンショックの後、加速しながら長く続つづいたデフレと、それを一因とした不景気の元になったという見方が出来るような気がします。

 

そう考えると、“雇用の流動化”は大切だと思いますが、“会社が解雇しやすいようにする”という“やり方”を“今”やるべきではないような気がします。

景気がよくなれば、雇用は自然に流動化するものだと思います。

実際、最近転職をしようとする人が増え、中途採用を取ろうとする企業が増えていると聞きます。しかも、業種や業界の枠を超えて人材がよく動いているようです。

 それはまさに“雇用の流動化”が起きているといえるような気がします。

 そしてそれは、会社が解雇しやすくなったから起きたのではないと思います。