何度となく書いていますが、僕は甘いものが好きです。食べ過ぎには気を付けるようにしていますが、よく食べているほうだと思います。
それに比べてアルコール類は、ここ6~7年、口にしていません。それ以前は、350mlの缶ビール類を毎日かならず一本、飲んでいました。それが習慣だったのです。
毎日飲んでいたのですから、嫌いというわけではありませんでした。つまり好きで飲んでいたのです。
それがある日、ふと飲みたいという欲求がそれほど強くないことに気づきました。
ビール類を飲みたいから飲んでいるのではなく、習慣になっているからそれを守っているだけではないかと思ったのです。
その日は缶ビール類を飲みませんでした。しかし何の問題もありませんでした。つまり飲みたいと思わなかったのです。
その日からアルコール類を飲まなくなったのですが、何の問題もありませんでした。
飲みたいという欲求が湧かないのです。むしろ飲まないことで利点があることに気づきました。
缶ビール類の350ml一本では、それほど多い酒量ではないと思います。それでも飲むと、色々なことが出来なくなります。車の運転はもちろんですが、酔ってしまうと頭を使うことも、体を使うことも出来なかったのです。
缶ビール類を飲まなかった日、そのことに改めて気づきました。
それからアルコール類を飲まなくなったのですが、それまで使えなかった時間が使えるようになって、ちょっと得した気分になったものです。
煙草は随分苦労してやめたのですが、ビール類は一切抵抗感がなく、あの日からぴたりとやめたのです。しかも特に強い動機があったわけではなく、思い付きのようなやめ方でした。
こうして思い起こしてみると、アルコール類は自分の体質にあっていなかったのだろうと思います。
そういえば若いころ、苦しい思いをしながらアルコール類を飲んだことが思い出されます。
あのころの日本社会には、無理してでもアルコール類を飲まなければならない状況が多々あったと思います。
僕がビール類を飲むようになったのは、アルコール類を飲まなければならない状況でも、とても日本酒は飲めなかったので、ビールを飲むしかなかったからです。
ただ若いころは酒類に興味がありましたし、なんとなく大人を気取ってみたかったものです。そのため、社会的に飲まなければならなかったため無理して飲むばかりではありません。自分の意思でアルコール類を飲んだこともありました。
友人と一緒にアルコールを飲むことは楽しんでいましたし、酒類がおいしいと感じたこともあります。
アルコールによる失敗も色々とやっているのですが、今となると笑いながら話せるようなことばかりです。
ただあのころから僕はアルコールを飲むとすぐに顔が真っ赤になりますし、酔うと気分が悪くなることが多かったのです。
やはり生まれつきアルコールに強いほうではないのだろうと思います。
それでも若いころは、アルコールに弱いなりにビール類を好んでいたような気がします。
毎日、缶ビール類を飲んでいたのも、習慣を守ろうとしていたことは大きいと思いますが、おいしいという思いが一切なかったわけでもないのです。
若いころの僕の身体は、アルコールには弱いものの、弱いなりに受け入れられたような気がします。
中年になって、その“弱いなりに受け入れる身体の能力”が落ちたのかもしれません。
若いころと今とでは、体質が変わっているような気がします。
そして、日本の社会から無理に飲まなければならない状況が少なくなったことも、アルコール類を飲まなくなった理由の一つだと思います。
毎日缶ビール類を飲んでいた時期があるのですから、僕は下戸ではないと思います。
缶ビール類を飲まなくなったころ、『べつに禁酒しているわけではないのだから、飲みたい時は飲もう』と思っていました。
また、社会的に飲む必要があったら飲むつもりでした。
しかし缶ビール類を飲まなかったあの日以来、一度も飲みたい時と思ったことがないのです。
それと缶ビール類を飲まなくなったあの日以来、一度も飲まなければならない状況がないのです。
日本社会から、無理にアルコール類を飲まなければならない状況が少なくなったことが、大きな理由だと思います。
そうなると、酒類を飲むことにどこか億劫になり、また少し不安が湧くようになりました。
もともとアルコールに強いほうでないのに、ここ数年間一切口にしていないのですから、ひさしぶりに酒類を飲んだら、身体的にも社旗的にも何かとてもよくないことが起きてしまうのではないかという気がするのです。
そんな思いが、アルコールをより遠ざけているのだろうと思います。
そういえば、アルコールを飲まなくなってから、甘いものを食べることが増えたような気がします。
子供のころからずっと甘い食べ物は好きだったのですが、煙草を吸って、ビール類を飲んでいたころは、積極的に甘いものを食べることは少なかったと感じます。