消費税の税率を引き上げる政策は、議会で決まったことだと思います。
事実上それを帳消しにして、首相の判断で決定する形になっていると思います。
日本では首相も議員ですし、議会議員の中から選ばれているのですが、それでもひとりが下した決断を、議会議員全員の選挙で“国民の信を問う”というのは、やはりおかしいというか筋が通らないと思います。
消費税の増税を先送りすることは、衆議院解散の理由にはならないと思います。
しかし解散権は、首相が持っている大きな権力だと思います。
政治家ですので、政治な戦略によって解散権を使うのは、当たり前だと思います。
首相自身が有利だと判断した時に解散すればいいと思います。
その時期や理由が“国民のためではない”と有権者が判断すれば、それは選挙の結果に表れると思います。
また人間は“戦い”の気分が盛り上がると、そこに向かってしまうものだと思います。
それは世界中で起きた過去の戦争や、現在起きている武力衝突からも見て取れることだと思います。
しかし政治家もマスコミも国民も、みな“いくさ気分”に浸っていることもあって、冷静な思考が薄らいでいることを自覚できないものだと思います。
少数の冷静な人間がいても、大多数が盛り上がっている状態では、冷ますことは出来ないものだと思います。
ところで、今の与党の議席数は“拾い物”という感があります。
それに近年の選挙はふり幅が大きくなっていると感じます。
また選挙というものは、やってみなければわからないと思います。
近年ふり幅が大きくなっていることからも、選挙は予測が難しくなる傾向が強まっていると感じます。
今選挙をすれば、多少議席が減っても過半数は確保できると踏んでいるようだと耳にします。
ただ議席が減るということは、泣く与党議員がいることになると思います。
今の議席が多いこともあって、減り幅が“多少”では済まないこともあり得るような気がします。
今の議席数が多いこともあって、多くの議席を失っても過半数は確保できるかもしれません。
しかしそれは、多くの与党議員が泣きを見るということになるような気がします。
もしそうなった場合、“選挙の責任は幹事長”ということになるかもしれません。
しかし、ここで解散権を行使した首相に対して、党内の批判が大きくなることは避けられないと思います。
前回の衆院選では、今の与党がこれほどまでに圧勝するとは予想されていなかったと思います。
選挙前の政党支持率は、決して高い数字ではなかったと思います。
そのためこれほど多くの議席を得られたことは、今の与党議員にも意外だったのではないかと思います。しかし圧勝した高揚感で、“意外だ”という気持ちが吹き飛んでいたように見えます。
前回の選挙前、当時の与党に対する批判が強まっていたと思います。
選挙をすれば与党が惨敗することは、その政党の議員以外は誰もがわかりきっていた感があります。
ただ与党の反対票の行き場がないと見られていたと思います。当時最大野党であり、今の与党の支持率は決して高いとはいえなかったと思います。
与党の反対票を受け入れる場にはならないと感じられていたと思います。
しかし結局、今の与党に票が流れたのだと思います。
それは第三極があまりにも期待はずれだったことと、選挙制度によるところが大きかったと思います。
つまり前回の選挙の圧勝は、今の与党が支持されたわけではない“拾い物”ということです。
そして圧倒的な議席を獲得したことで、支持率があがったように見えます。
それは、国民を無視した政治家の身勝手な争いが長い間国民の足を引っ張り続け、しかも「いい加減にしてくれ」という国民の声に一切耳を貸さない政治家連中にうんざりし、与党が圧倒的議席を獲得していれば、そんな争いが起こらないという心理が国民の中にあったためだと思います。
つまり選挙の後の高支持率は、積極的に今の与党が支持されたのではなく、政治全体を批判する心理が転嫁されたのだと思います。
それも“拾い物”だと思います。
また、国民を無視した政治家の身勝手な争いが長い間国民の足を引っ張り続け、しかも「いい加減にしてくれ」という国民の声に一切耳を貸さない政治家連中にうんざりし、与党が圧倒的議席を獲得していれば、そんな争いが起こらないという心理は、国民に深くあるため、与党の支持率を高い状態で維持させたように見えます。
そして国民の心理は、国全体の雰囲気になっていたと感じます。
人の感情は雰囲気に流されるものだと思います。そして人間の思考は感情に引かれるものだと思います。
雰囲気に感情が流されることで、与党を支持すると思考をした人が増えたと感じます。
それも“拾い物”だと思います。
しかし近ごろ、“拾い物”の雰囲気が変わってきていると感じます。
この先、雰囲気はさらに悪くなることが予想され、そうなる前に選挙をしてしまおうという思惑だろうと聞きます。
しかし振れ幅が大きくなりやすい傾向と、それを助長する選挙制度が、次は仇となるかもしれません。