2014年11月27日木曜日

学ぶべきこと

 今月22日の夜、長野県北部で大きな地震がありました。
 ここ新潟市の平野部でも、震度3の揺れがあしました。僕はその時入浴しており、ちょうど頭を洗っていたので、揺れを感じとるのが遅かったのではないかと思っています。
 しかし僕が揺れを感じ取ってから長い時間、地震が続いたと感じました。
 東日本大震災の時や、新潟県中越地震、新潟県中越沖地震を思い起こしました。
『またどこかで、大きな地震が起きているんじゃないだろうか』
 
 上に書いた地震が起きた時は、ラジオ、テレビ、インターネットなどその時に手近にあるメディアで確認しました。
 ただ先日は入浴中でしたので、そのどれもが手元にありませんでした。
 揺れが収まりましたので入浴を続けたのですが、その時になってこの状況で大地震に見舞われたら、どういう行動をとるべきだろう、という考えが浮かびました。
 そして、出来ることはあまりにも少なく、危険は相当に大きいと思いました。

 浴室から出てすぐテレビを付けると、長野県北部で大きさ地震が発生したことが報じられていました。
 ただその時点では、人的被害は確認されておらず、建物が倒壊している映像はありませんでした。
 そして「震度6弱」と聞いて、少し安堵したような気持ちになりました。
『大地震だけど、巨大地震ではなかった』
『今は建物の耐震化が進んでいるから、震度6弱なら大きな被害は出ないかもしれない』

 しかしすぐに『そう考えるのは、軽率かもしれない』と思いました。
 震度6弱といえばやはり大地震であり、その被害は地形や地質、建物の立地条件によって変わってくると思います。
 地震直後であるため、状況が伝わっていないだけで、大きな被害が出ている地域もあるかもしれないと思いました。
そしてもし大きな被害が出ていたなら、被災された人は大変な状況になっているかもしれないと思いました。

それから次第に被害状況が報じられるようになりました。
倒壊した家屋が何棟もあるということが伝えられ、その映像を流されるようになりました。
大きな被害が出ている様子を目にして、“震度6弱”を軽く感じていたことに、気づきました。
ここ十年ほどの間に、大きな地震が度々起きていることで、“震度6弱”を軽く感じるようになったのだと思います。

それと、“震度”とか“マグニチュード”という数字で被害状況をイメージしてしまうことを、改めて感じました。
地震に関することに限りませんが、人間はどうしても数字で判断してしまうものだと思います。
 数字が必ずしも実態を表しているわけではない、頭でそう考えて、自分にそう言い聞かせても、どうしても数字を重くみてしまうものだと思います。
 数字には客観性があり、絶対的な基準であるという心理が誰にもあり、思考でそれに抗うことは難しいような気がします。

 今回の長野県北部の地震では、被害の表れ方、被害の大きさ、被害の深刻さ、などは震度やマグニチュードという数字だけでは、なかなか察せられないものだと気づかされた気がします。
 この辺りには、本州を横に分断するような大きな断層があると、社会の授業で習った覚えがあります。
 今回はその大断層が、被害状況に関わっているようです。
 つまり、断層がある地域に被害が集中しているということです。
 それは震度やマグニチュードで表された数字では、伝わらないと思います。
 
 ただそんな中で、人命が失われることがなかったのは、大地震という不幸においてせめてもの幸いといえるような気がします。
 そしてそれは、決して偶然や奇跡などではなく、その地で暮らす人々の力によるのだと思います。

 何棟もの家屋が倒壊している様子を目にすると、その中にいた人が全員、救出されたことはすごいという印象を抱きます。
 そしてそのことからは、学ぶべきことが多いと改めて感じます。
 その一つに倒壊した家屋の下敷きになっても、生きていられる場合が多いということがあります。
 今回被災した地域は、豪雪地ということもあり、住宅が屋根に積もる雪の重さに耐えられる構造だといわれています。
 柱が丈夫で、倒壊しても、隙間ができやすいとのことです。

住宅の構造が、大地震に対して、その地域特有の利点になったのだと思います。
ただやはり、倒壊した住宅の下敷きになったときは、怪我をしても命が失われていない場合が多いのだろうと察せられます。
そうなると、家屋が倒壊した場合、迅速な救助がいかに重要であるか、改めて考えさせられます。

今回被害があった地域では、住民による災害時体制が作られていたと聞きます。
それが、倒壊した家屋から下敷きになった人を助け出すという形で機能したのだと思います。
それは日本中で学ぶべきことだと思います。

ただ地域の状況は、それぞれだと思います。
住宅が密集している地域、人口が多い地域、住民の移動が多い地域、様々だと思います。
そのため、今回の被災地の取り組みをそのまま真似しようとしても、上手くいかないと思います。
大切なことは、災害が起きた時、いかにして迅速に救助活動を行うか、だと思います。

それぞれの地域に適した体制を、考える必要があると思います。