2014年11月6日木曜日

粘土細工の首長

 二つの州が「共和国」を名乗って独自に選挙を行ったのは、自治の拡大の妨げになると思います。
 独立や自治の拡大を目的とするならば、明らかに逆効果だと思います。
 明らかに逆効果のことをわざわざ行ったように見えます。
そうなると、二つの州で選挙を行った人たちが本当に目指しているのは、独立でもなければ自治権の拡大でもないのかもしれません。

 権力を欲する人間が、権力を得るために選挙を行うことは、時々見られることです。
“自分が勝つための選挙をする”そういうやり方で独裁者が生まれることがあると思います。
 一人の人物が、民衆の支持を受けている場合もあると思います。選挙をやれば間違いなく勝てるという状況だと思います。
 選挙によって“お墨付き”を得るのです。
 そして独裁者が生まれることがあるように見えます。

 先日二つの州で行われた選挙は、そうではないように見られます。
 民衆から支持を受けているわけではない人物が権力を欲し、権力を得るために選挙をしたように感じられます。
 その場合、公正に選挙を行っても好ましい結果にならないこともあり得ます。
 権力を欲する人間が、自分のために行っている選挙ですから、好ましくない結果は出さないようにすると思います。
 結果が決まっている選挙ということです。
 
 二つの州に現状は、大国の戦略の失敗によるような気がします。
大国は隣国に関する戦略を、はじめから失敗をしたと思います。
逃げだした隣国の大統領を受けいれたことは、仕方ないというか、とりあえず間違いでなかったような気がします。
しかし、半島に対する大国の関わり方は失敗だったと思います。
大国側からみて、大失敗だったと思います。
大国の利益にはならないということです。

二つの州のある地域は、対立が激化し、事態が混乱し、決着つけようがなくなったことだと思います。
いつまでも決着がつかず、その結果大国が何かを得ているのかといえば、現状ではまともに得られているものはなにもないと見られます。
むしろ失っていると感じます。また、こんなことにならなければ得られるはずだったものを、得そびれていると思います。

この大失敗には色々な要素か関わっているように見られます。
隣国の大統領が逃げ出したことで、大国の大統領は『もし同じことが我が身に降りかかったら』という意識が芽生え、それが思考を主導した感があります。
その意識を自覚していたのか、していなかったのかは、おそらく本人でも定かではないと思いますが、考え方を強硬姿勢に向かわせる心理に繋がったと感じます。

しかし大国が半島に強く関わったことで、それで終わりにすることも、それを一区切りにすることも出来なくなり、事態を激化させていくしかなくなったように見られます。
大国の大統領は大きな権力を持っているようですが、一存でなにもかも出来るわけではないと思いますし、それに大衆が強硬姿勢を支持していることも、引くに引けない理由の一つだったと見られます。

ただその大国に限ったことではありませんが、大衆を喜ばせることが、必ずしもその国と国民を利するわけではないと思います。
隣国に対する大国の対応は、長期的戦略が必要だったと思います。
しかし短絡的な対応を重ねつづけてきたため、対立も混乱も長期化した感があります。
決着の付け方がないのですから、対立はこれからも続くと思います。

二つの州に関して言えば、当初はとにかく戦う連中を送り込んだという印象があります。
しかし統治者としての体裁が必要になり、戦うために送りこんだ連中にその役割を担わせることになったような感があります。
戦うために送り込んだり、引き入れたりした人達ですので、政治には疎く、統治者としての能力などないように見られます。

ただ曲がりなりにも統治者という立場になると、権力を得ることになると思います。
政治家としても統治者としても資質がない人物が、権力を得てしまうことがあると思います。
そうなると、政治的な要求の方向性が定まらないことになると思います。そもそも政治的な方向性、つまりその地域の今度のあり方などを考えていない人物が権力を持つことがあると思います。
そうなると、政治的思惑など無関係に、武力を使った攻撃が行われることがあると思います。

権力は一度得ると、手放したくない人が多いものだと思います。
また誰かが権力を得た様子を目にして、自分も権力を得たいと欲することもあると思います。
権力争いがおこることもあると思います。
自分の権力を強めようとする人もいると思います。
そのために選挙をすることもあると思います。

 もともと自分たちが仕立てた統治者ですので、大国はそんな選挙でも支持すると思います。
 ただそれが、事態を沈静化する妨げになると思います。
この事態が収まった方が大国に利すると思います。
しかし、それを自ら妨げているように見られます。
 
大国も、連合も、その間にある国も、対立が収まるほうが、このまま対立を続けるより得るものが多いと思います。
 そう考えると、“事態の鎮静化”は、大国、連合、その間にある国、三者の共通の利益といえるような気がします。
 それは共通の目標になると思います。