2014年11月22日土曜日

やりたい放題解散

“与党は過半数を安定確保した。しかし選挙は与党の惨敗だった”
それは政局を大きく混乱させずに、与党の政治運営に歯止めをかけることになると思います。

 もし解散前の与党の議席が、ぎりぎり過半数を確保しているようでは、与党の惨敗が政局の混乱を招くこともあると思います。
 この国は長い間、国民を無視した政治家同士の身勝手な争いによって、力も勢いも大きく削がれたと思います。
 国民にとっては甚だしく迷惑で、「いい加減にしてくれ」と皆が訴えているにも関わらす、その声を一切無視して身勝手な争いを続けた政治家連中にうんざりしていていたと思います。
 そして、所詮その程度の質の低い政治家だけしかいないのだから、与党に高い支持を与えて政局を安定させてやらないと、この国はいつまで経っても下り坂のままだという観念を強く抱くことになったのだと思います。
 自覚していない人も多いと思いますが、それが与党の高支持率に繋がっていたと思います。

 昨日の解散前には与党は圧倒的な議席数があったのですから、大きく議席を減らしても過半数を確保することは、そう難しいことではないと思います。
 過半数を確保すれば、その後でやりたい放題にやろうと思えば出来ないことはないと思います。
 ただ過半数を得たというものの、選挙で大きく議席数を減らしたとなると、やりたい放題というわけにはいかなくなると思います。
歯止めとして一定の効果があると思うのです。

 この二年間の与党の政治は、やはり圧倒的な議席を背景にしている感は否めないと感じます。
 今回の解散についても、「大義がない」とか「身勝手だ」という声を聞きますが、まさにその通りだと思います。
 
首相は、消費税の税率を上げることを先送りした是非を国民に問う、そういう趣旨のことを言っていたと思います。
 考えてみると、景気条項をいれることを強く求めたのは、解散前の与党(当時は野党でしたが)だったと思います。
 また景気条項を、『リーマンショックや東日本大震災のようなことが起きた場合に限定するべき』という意見があるなかで、『経済の動向を総合的に勘案して』ということにしたのは、解散前の巨大与党だったと思います。
 しかも「私が決断します」という形にしたのは、首相自身だと思います。
 その状況は、『自分で勝手に、「私が決定します」ということにしておきながら、決めてから国民の信を問うなんて、筋が通らないというか、何から何まで勝手じゃないか』と感じてしまう人がいると思います。
 そもそも景気条項をこのような形にしてしまうと、なにもかも難しくなることは事前にわかりそうなものだと思います。
 それがわからなかったのですから、能力が足りないのだろうという見方もあるような気がします。

 また、首相の名をもじった経済政策を、進めるのか止めるか、国民に問うという趣旨のことを言っているようです。
 しかしここまでやっておいて、今さら止めるわけにいかないと思います。
 ここで止めるという選択肢などないと思います。
 
今回の経済政策は、政治が緊張感を持ち続け、“決め言葉”通りに進めていくことが必要だったと思います。 
しかし“決め言葉”は“決め言葉”であれば十分だと認識していたと感じられます。それは見通しの甘さだと思います。
経済政策は進め方にまずい点があった、しかしここで止めるわけにはいかない、それでは国民に選択肢などないと思います。

 そのような理由を振りかざした今回の解散も、この二年間の政治運営からも『やりたい放題』だという印象を受けざるを得ないと思います。
ただだからこそ、政局を大きく混乱させずに与党の傲慢を抑えるには、今度の衆院選はいい機会になり得ると思います。
ただそれには、有権者の自覚と行動が必要だと思います。

不人気な政策をやった後で選挙をしては、与党が不利になるので、そのまえに解散する、といわれています。
それは有権者を軽んじているというか、甘く見ているような印象を受けます。
政策をやる前に選挙をするということは、選挙でそれを阻止することも出来ると思います。
しかし、どうせそんなことになるはずがないと見ているのだと思います。
口の悪い人は、「有権者をなめている」というかもしれません。

与党が進める政策に反対するなら、どこでもいいので与党以外の政党に投票することが効果的だと思います。
実際、この前の参院選で、昔ながらの野党が議席数を増やしたのは、与党の対極にある政党だからだと感じます。
その政党を支持するのではなく、与党に対する反対票だったということです。
白票や棄権したのでは与党に利することになります。
そうなると、対極にある野党に票を投じるのも、一つの“手”だと思います

ただしより確実に与党の議席を減らすには、票を取れそうな野党に投票するのも、有権者の“手”だと思います。