2015年3月24日火曜日

監獄実験

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2015年3月 24日「監獄実験」


概要
数人の被験者を囚人役と看守役に振り分け、一定期間、疑似刑務所で暮らすという実験があったそうです。人間は役割や肩書や立場を与えられると、自然とそれに則した言動をとるようになることを証明する意図だったようです。
当初2週間の予定だった実験は、6日目で中止になったそうです。看守役があまりにも残虐になり、囚人役を非人道的に虐待したためだと聞きます。
 この実験において“看守”という役割を与えることは、即ち絶対的に優位な立場と、絶対的な権力を与えることだと思います。
そして疑似刑務所という限られた空間に、絶対的な権力をもつ者と、絶対的に服従しなければならない者の、二種類の人間だけを置いたのだと思います。
人間は他者を支配することに、本能的な心地よさを感じるものだと思います。理性や倫理観の強さなど、個人差もあるでしょうが、人間は他者を支配したり、他者を痛めつけたり、辱めたりする時に、脳が麻薬のような成分を分泌するのかもしれません。人間は誰でも残虐性を持っているものだと思います。
 それは本能的であり、麻薬のようでもあるために、抗うことが出来ないのではないかと思います。
この実験は人間の残虐性がいかに簡単に湧きあがるか、そしてそうなると抑えがきかないかを表しているような気がします。看守という役割は、設定を作ったに過ぎないと思います。