2015年3月31日火曜日

「乗り遅れるな」症候群

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2015年3月 31日「『乗り遅れるな』症候群」

概要
アジアインフラ投資銀行に、日本も参加するべきか。否か。どちらの主張にもその根拠に具体性が乏しいと感じます。
 中国経済は、これからも世界に強い存在感を示すと見られています。そして東南アジアでは、これからもインフラ整備が活発に行われると見られます。
 アジアインフラ投資銀行は、それを繋げる金融機関ですから、世界経済に大きな影響を与えることが予想されます。
 今のところ、そのイメージによって参加の是非が論じられているような気がします。具体性がないと感じるのです。しかしアジアインフラ投資銀行の内容が、まだ具体的に見えないのですから、参加の是非を巡る論理に具体性が乏しいのも、無理はないと思います。
 ただそれにしても『乗り遅れちゃう』という漠然とした不安に、思考が主導されていると感じます。
 それでいながら、日本人は中国に対する対抗意識や反撥心、自国に対する自負心が強く、それが思考に影響していると思います。
 予測や主張に、乗り遅れることへの不安感と、中国に対する感情が入り込んでいると思うのです。
 今の時点でAIIBは具体的な形が見えていないのですから、参加することの是非は、結局、数年後、数十年後に、結果論として評価されるしかないと思います。
『ほらみろ、やっぱり創設時に参加するべきだったんだ。いわんこっちゃない』

『ほらみろ、創設時に参加しなくてよかったじゃないか。慌てて参加していたら今頃大変なことになっていたぞ』