2015年7月18日土曜日

戦略的交渉

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2015年7月 18日「戦略的交渉」


概要
これからの時代の戦争では、核兵器よりもハイテク兵器の方が実戦において遙かに有効だと思います。核兵器が使われるとすれば、破壊する規模を抑えた限定的な核攻撃になると思います。しかし一度でもそれが行われると、核兵器の応酬という状況になりやすいと思います。中東の中で核兵器の応酬が起こると、その地域は極めて甚大な被害が出ることになりかねないと思います。また人類は、今のところ核兵器の応酬をしたことがありませんので、想像すらできなかった事態になることもあり得ると思います。
これからは無差別に大量の民間人を殺戮する核兵器よりも、確実に目標を確認し、的確にそれを破壊するハイテク兵器が遙かに有効だと思います。
しかしハイテク兵器の開発には多額の資金が必要だと思います。今後、イランの軍事的脅威は、経済制裁が緩められることで得た利益が、ハイテク兵器の開発に投じられることかもしれません。ただ今のイランの軍事中心部では『核兵器至上論』を唱える者の存在感が強いように感じます。ハイテク兵器が重要だと認識する声もあり、その開発もしていると思いますが、核兵器の保持に意欲と資金が投じられることで、ハイテク兵器にはそれが集まりにくいと感じます。
そう考えると、核兵器の開発を完全に封じるよりも、核兵器を完成させる障壁を高くするほうが、先を見据えれば有効な進め方かもしれません。
つまり核兵器の開発に意欲を向けさせ続けながら、実際に核兵器を作りだすことを難しい状況におくということです。
今回のイラン核協議の合意は、そういう意味で有効だと思います。ただし、あらゆる事物に注視し続けなければならないと思います。
交渉は戦略性が必要だと思います。そして戦略的に交渉を進めるには、広い視野や長期的な視点が必要だと思います。