2015年7月23日木曜日

わかりやすい説明

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2015年7月 23日「わかりやすい説明」


概要
『テレビに出たいが、どこも呼んでくれない』首相が、安保法制は国民の理解が得られていないという文脈で、そのように言ったそうです。その後、首相がインターネットで安保法制について説明している様子を目にしました。安保法制を、一般の人が不良に絡まれることになぞらえて説明し、国会では野党がそれについて批判していたようです。
 またその数日後、民法のテレビ番組に首相が出演し、安保法制を火事に例えて説明したそうです。
 個人的な印象ですが、安保法制に関するたとえ話は、これまでも何度となくテレビで目にしていると感じます。そのほとんどが、今回首相が行った説明よりもわかりやすかったと感じます。聞き飽きた例え話を、今さら首相が言ったところで、意見を変える人は少ないだろうと感じます。
 首相や与党は『わかりにくいから理解されていない。わかりやすく説明して理解され、賛成される』そう考えているのかもしれません。そして首相は、『自分なら、わかりやすく説明し、理解が得られ、反対する人の意見を変えることが出来る』と考えていたのかもしれません。
 しかし安保法制でわかりにくいのは、火事や不良に絡まれることになぞらえるような、基本的な理念や概念ではなく、法案の中身だと思います。多くの法案を無理やりまとめて審議しているのですから、法案の中身が分かりにくいのは当然だと感じます。
また、わかりにくいだけでなく、今回の安保法制では細かい点を定めていないのではないかと見えることもあります。
それにやはり違憲だという意見が多く、それに対する与党や首相の反論は弱いと感じます。
安保法制に関しては、賛成する人も、反対する人も、情緒的に意見を構築し、現実的に根拠を後付していると感じます。
『法制の中身がわかりにくい』『違憲である』そう言われているなかで、今さら火事に例えて話しても、賛成派が得られるものは首相の自己満足だけだという気がします。