2015年7月26日日曜日

中国が抱える危うさ

エムズ日記は電子書籍で販売しています。
全文はそちらで。


2015年7月 26日「中国が抱える危うさ」


概要
中国は社会主義の国家体制でありながら、自由経済を取り込んでいると感じます。それは急速な経済成長の要因の一つになったように見られます。
しかし問題もあると思います。国が経済に深く関与し、不透明性が常にあるということは、その一つだと思います。
先日の上海株式市場の株価変動に関しては、『国がなりふり構わず金融市場に介入している』という趣旨の声を度々耳にします。中国は、多くの個人投資家を金融市場に誘い込むことで、小型のバブルを起こしたところまでは思惑通りだったのはないかと思います。しかしそのバブルが膨らみ過ぎたため、抑えようとしたではないかと思います。ところが個人投資家は、いわば“素人”ですので、政府の金融政策に対する反応が鈍かった感があります。対策を打ってから個人投資家が動くまでに時間差があったため、小規模にバブルがはじけたように感じます。そして政府は、あわてて対策を講じ、株価は急速に回復したようです。ただなりふり構わない国の関与は、中国の金融市場の不透明性を印象付けたようにも感じます。
 また中国が強引に海洋進出しているのは、『勢いがあるうちにやっておくべきこと』の最優先事項だと目されているからかもしれません。
 中国には、あらゆる資源が不足するとのではないか、という不安があると思います。エネルギー資源はその最たるものすが、食料や水なども現状の供給体制では不十分だという見方があると思います。
 海に面する地域が多くない中国は、海洋資源を確保することがとても難しいと思います。そこで、国の勢いがあるうちに抑えてしまおうという考えがあると思います。
 ただ『国の勢いがいつまでも続くわけではない』という不安があるとすれば、今のうちに強引に確保してしまわないと、いざという時に国の勢いが弱まっているかもしれません。