2015年7月27日月曜日

中国経済健全化の失敗

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2015年7月 27日「中国経済健全化の失敗」


概要
 中国は経済が急成長をしているその時に、健全化をめざして動き出したように見られました。経済の急成長期が何十年も続くはずがありませんので、浮かれることなく安定期に移行しようとしていたように感じます。しかし少し前から、経済の健全化を進めるわけにはいかなくなってきたのではないかと感じます。
改めて考えてみれば、経済の急成長を共産党の手柄にしたことは大失敗だったと思います。経済の減速や景気の悪化の責任も共産党に向かうからです。
 情報伝達技術が発達している現代では、国家がいくら情報を統制していても、完全に遮断することは難しいと思います。中国経済が下降した場合、当局が情報を断つと、『景気が悪くなったのは、共産党のせいだ』という国民の意識は、むしろ強まる可能性があると思います。
 そんなこともあって中国共産党は、どんな手を使っても経済を悪化させるわけにいかなくなったと感じます。
実体経済が鈍ったことを不動産バブルで補い、それが崩壊すると、株式市場でミニバブルを起こして補ったように感じます。しかし株価は、なかなか政府の思惑通りにはならないものだと思います。中国の政府がなりふり構わない株価対策を講じたことで、『景気を悪化させるわけにはいかない。どんな手でも使わなければならない』と強く認識していることが窺えます。
 そうなると、一時進めていた経済の健全化は、大きく後退する可能性が高いと思われます。『どんな手』の中には、公表できないこともあると思うのです。公に出来ないような“手”は、使えば使うほど爆弾に火薬を押し込むことになりかねないと感じます。
火薬が押し込まれるほど爆発させるわけにはいかなくなり、爆発させないためには、さらに火薬を押し込むことになるような気がします。
中国はいつ大爆発を起こすかわからない爆弾を、隠し続けることになるかもしれません。