2015年7月2日木曜日

感情は情報分析と政治判断に影響をおよぼす

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2015年7月 2日「感情は情報分析と政治判断に影響をおよぼす」

概要
利害によって起きる戦争は、“争いの構図”としては単純といえるような気がします。欲しいものを取り合って争い、勝った方が得るという形になると思うからです。かつての戦争はそういう色合いが強かったように感じます。
 過去に起きた戦争には、複雑な構図も数多いと感じます。利害対立が複雑になることは、昔からあったと思うのです。
 現代の戦争は、利害関係が複雑になる一方だと感じます。ただ現代の戦争や武力介入は、利害対立もさるものの、もっと根深いものが“争いの構図”を複雑にしていると感じます。感情や気持ち、それに類する心理です。
 大量破壊兵器がないことが明らかになってからイラク戦争を振り返ってみると、“お粗末”だったという印象を受けます。“なぜ戦争をはじめるのか”その点において誤りがあったのですから、批判的な声が高まるのは仕方いと思います。
 ではなぜそんな“お粗末”なことになったのか考えると、『とにかく戦争を始めたかった』のではないかという気がします。イラクのフセイン政権を倒すことは、アメリカにとって利するところが大きいと思います。ただ感情が思考を主導していたようにも見えます。『サダム・フセインは悪者だ。そいつやっつけるためには、方便もやむを得ない』
 アメリカの政治家、軍人、市民、アメリカを支持して協力した国でも、そんな意識があったのではないかと思います。
『なんとしても戦争を始めたい』『フセインという悪者をやっつけるのだから、大儀なんてなくても構わない。この際、大儀なんてでっち上げでも、構わない』『そうはいかない。だからどんなに些細でもいいから、とにかく理由をひねり出してイラクに戦争を仕掛ける』

 人間は物事や事象を自分が望んでいるように解釈する心理的な傾向があると思います。