2015年9月29日火曜日

クジラには知性があるという後付の根拠

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2015年9月 29日「クジラには知性があるという後付の根拠」


概要
『クジラには知性がある』今の若い大人たちは、この考え方が反捕鯨の最も重要な根拠だと認識していると思います。『クジラは賢い。だから殺してはならない』昔からそういう主張だったと固く信じている人が多いように感じます。
 しかし反捕鯨論を耳にするようになった当初は、『クジラが激減し絶滅の危機にある』という主張だったと思います。『クジラには知性がある』いう欧米人は極めて少なかったと思います。一人もいなかったかもしれません。『クジラを守ろう』という論旨すら強くなかったと思います。『クジラを乱獲する日本は悪い国だ』という意味合いが強かったと感じます。
あの頃、日本は経済が急成長し、世界中で存在感を強めていたと思います。
『日本叩きだ』と日本政府や捕鯨関係者は感じたように思います。『クジラが減っているなんて言いがかりだ。経済成長している日本を叩きたいだけだ。無視すればいい』。日本はそのような受け止め方をしたため、反捕鯨に対する対応があまりにも不充分で遅かったと感じます。
 日本の乱獲によってクジラの絶滅が危惧される状況だったのなら、捕獲数を減らすなど、速やかに対策を講じるべきだったと思います。それを世界に示すべきだったと思います。
日本が真摯に対応していないと見なされ、反捕鯨論は強まったと感じます。批判を強めるために『クジラには知性がある』『クジラはすばらしい生物だ』という根拠が引き出され、後付けされたのだと思います。
それは、欧米人の文明人意識を掻き立てたのだと思います。その後、捕鯨が制限されたことで絶滅の危機が解消され、それは反捕鯨論の根拠にならなくなったと思います。
しかし『クジラには知性がある』という根拠は、個体数の数に関わらず振りかざすことが出来ると思います。でもそれは、生態系や海洋環境に対する意識を置き去りにしていると思います。