毎年、一度はたい焼きや大判焼きについて書いているような気がします。
通年たい焼きを売っているお店もありますので、僕は冬に限らすたい焼きを食べるのですが、やはり温かいものは寒い時に食べると格別です。
今年も、たい焼きや大判焼きを食べることが増えてきました。
何度も書いていますが、子供のころはどちらもあまり好きではありませんでした。あんこが苦手だったのです。
そのため大判焼きやたい焼きは、食べられないほど嫌いというわけではないのですが、自分から率先して食べることはありませんでした。
あの頃、あんこを使った食べものに対する僕の意識は、あんこよりも他の食材を主役だと感じていました。
たとえばお汁粉はあんこではなく餅が主役だと感じていました。また僕にとってまんじゅうの主役は皮であり、あんこは皮を引き立てるものだという印象を持っていました。
たい焼きは、あんこの入っていないしっぽの部分が好きでした。あんこがつまった頭から胴の部分は、好きなしっぽを食べる前についてくる前菜のような感覚だったのです。
大判焼きはクリームが選べる場合は、大抵はそちらを食べていました。
それがいつごろからかよくわからないほど自然にあんこが好きになってきました。
中華まんを買うとき、昔はほぼ肉まんしか選んでいませんでしたが、今ではあんまんを選ぶことが断然に多くなっています。
子供のころとは体が違いますし、様々な味覚に触れる経験をつむことで、味の好みも変わったのだろうと思います。
ただ、好みが変わるきっかけのひとつだったと思える出来事がありました。
それもここでは何回か書いているのですが、あんことマーガリンを使った菓子パンを食べたことです。
あんことマーガリンやホイップクリームを組み合せた菓子パンは、今では“定番”の感がありますが、僕は高校生のころまで見たことがありませんでした。
高校生のころ、昼食時に同級生が「これうまいから、一口たべてみな」といって少しパンをちぎると、なにが入っているのか説明もせずに差し出したのです。
食べてみると、あんことマーガリンが入っているのだと気付いたのですが、それが確かにおいと思いました。なによりもあんことマーガリンを組み合せるなど、“変な組み合わせ”という観念があり、ともすると“気持ち悪い”といわれそうだったと思います。
そんな時代でしたので、“この組み合わせで、こんなにもおいしくなるのか”と強い衝撃を受けた覚えがあります。
それに僕は、今も昔もマーガリンが好きです。
あんこもジャムも単独でパンに塗るより、マーガリンを一緒にしたほうがずっと好きです。
そう考えると、あんこが好きになったのは、あの時の菓子パンがひとつのきっかけだったような気がします。
ちなみにどらやきも、マーガリンやホイップクリームも一緒に挟まっているもののほうがより好きです。
そのため、あんこだけのアンパンやどら焼きには、自分でマーガリンを乗せることがあります。
また、黒糖とマーガリンの組み合わせも好きです。皮に黒糖が含まれている温泉まんじゅうにマーガリンを塗るとおいしいと思います。
以前、食パン二枚にマーガリンを塗って、かりんとうをはさみ、ラップをして一晩寝かせた『かりんとうサンドウィッチ』を作ってみたらおいしかったということを書いたようなきがしますが、かりんとうにマーガリンを塗って食べることもあります。
先日大判焼きを食べているとき、『これもマーガリンがあうんじゃないかな』と思いました。
薄皮のたい焼きは数年前から時々食べるのですが、最近は薄皮の大判焼きも目にします。
大判焼きやたい焼きは、買ってすぐ温かいうちに食べたいもので、先日もそのようにしたのですが、ふとマーガリンをつけたくなったのです。
大判焼きを持ち帰り、電子レンジやオーブントースターで“あつあつ”にして、ホットケーキのようにマーガリンを乗せたらおいしいのではないだろうかと思いました。
ナイフやフォークを使っていただくことになると思いますが、溶けたマーガリンが皮にしみこんで、そこに“あつあつ”のあんこを乗せて食べてみたくなったのです。
マーガリンだけではなく、ホイップクリームでもおいしいような気がします。
また、僕はあまりアイスクリームを食べないのですが、熱くした大判焼きには合いそうな気がします。
すでに甘味店や喫茶店などで、そのようなメニューが用意されているかもしれませんが、寒い日に、こたつに入って温かくて甘いものをいただくのも、“いいものだ”という気がします。