2014年1月6日月曜日

投げることからはじまったのかも


人類の祖先が初めて使った道具はなんだったのか? 

 それを解明することは極めて難しいと思います。

 痕跡が残りにくいと思われるからです。

 

多くの石器が見つかっていると聞きます。しかし石を砕いて道具を作るまえに、もっと加工しやすい材質のものを道具にしていたのではないかと思います。

ただ木の実や葉や枝などを加工して道具を作っていたとしても、それは石に比べると残りにくいと思います。

それに、石器を使う以前のこととなると、加工といっても複雑なものではないと思います。そうなると、人類の祖先が加工したものなのか、自然にそのような形状になったのか、判別しにくいと思います。

 

そしてなによりも、初めての道具は加工されていなかったと思います。石を砕いたり、木を削ったりするのではなく、自然にあるものをそのまま道具として使ったのだろうと思います。

その痕跡は残りにくいと思いますし、見つけるのは至難だろうという気がします。

ラッコが石をおなかにおき、それに貝をぶつけて割ります。遠い未来までその石が残っていたとして、誰かがそれを見つけても、ラッコが道具として使っていたとは、なかなかわからないだろうと思います。

 

以前、人類は二足歩行をはじめことで道具を使えるようになったのではなく、道具を使うために、二足歩行をはじめたのかもしれないという想像を書いたことがあります。

チンパンジーも石や枝などを道具として使っていると聞きます。しかも枝などは加工して使っているようです。

それらは主に地上で使っていたようですが、チンパンジーが道具を使うなら、人類の祖先が木の上にいるときから、何か道具を使っていたこともあり得るような気がします。

 

しかし木の上では、前足で枝をつかんでいることも多いと思います。両前足を使って道具をつかうには、木の上は適さない環境だったような気がします。

二本の後ろ足で地面に立つことで、両前足は道具を使うために使おうとしたのかもしれません。

 

ただ、以前書いたことがありますが、投げることなら木の上でもそれほど難しくないような気もします。

投げるのならば、前足を使うのは短時間で済みますので、枝から前足を離す時間も短くてすむと思います。また片方の前足で行えます。

それに、手で握って道具を使う動作よりも、投げる動作のほうが、動作として簡単なような気がします。

 

サル同士の争いで、相手を攻撃するために、木の上にあった硬い木の実などをぶつけたのではないだろうかという想像を書いたことがあります。ただ投げる動作は簡単だったとしても、当たるように投げることは難しく、なかなか命中しなかったと思います。

 

それでも当たれば痛いでしょうから、当たったことがある相手は、木の実を投げつけられると、近づけなくなったような気がします。

 そうなると、双方のサルがモノを投げつけることは有効だと知ったのかもしれません。ただ投げるものが木の上には少ないような気がします。木の実は食糧でもあるのですから、武器として手放してしまうのは惜しいと思ったかもしれません。

 

 そこで、お互いが地上に降りて、石や短い枝などを拾ってぶつけあったのかもしれません。ただなかなか当たらないので、長い枝などを前足で握って打ち付けるようになったのかもしれません。

石を投げあうにしろ、枝で打ち合うにしろ、木の上よりも、地上のほうがずっとやりやすいような気がします。

 

 そして地上に降りてみると、木の上とは違うことが色々とあったのではないかと思います。

 木の上にはいない動物に襲わることもその一つだったような気がします。そこで身を守るために戦ったことから、狩猟に発展していったのかもしれません。

 木の上にないものの一つに、ほかの動物の遺骸があるような気がします。それを食べている動物をみて、木から降りたサルも食べるようになったのかもしれません。

 

そこで、ほかの動物は食べられると知ったのかもしれません。木の上にはない食べ物です。

身を守るためにほかの動物と戦いをはじめたものの、もし倒すことが出来たなら、それは食べ物になる、そう思ったのかもしれません。

 

ほかの動物に襲われ、身を守るとき、はじめは石などを投げつけていたのかもしれません。身を守るのならば、戦うより、追い払うことが出来ればそれに越したことはなかったような気がします。

それからほかの動物も食べられることを知って、戦うようになったのかもしれません。その時、まずは石などを投げつけていたような気がします。距離を取ったほうが身の危険が少ないと思います。

そう考えると、狩猟ではかなり早い段階から投擲武器が使われていたのかもしれないという空想が浮かんできます。もしかしたら、投擲武器から狩猟が始まったのかもしれません。