「なんちゅうもろい船だ」
アニメ映画「風の谷のナウシカ」でミトという登場人物の台詞です。
ミトの声を当てていたのは、声優の永井一郎さんでした。永井さんは数多くのアニメや映画の登場人物の声を演じていたと聞きます。
実際、多くの作品が思い浮かびます。
永井一郎さんがアニメの中で演じた台詞を思い起こしたとき、まず浮かんだのが上に書いた台詞でした。
ミトはそれほど目立つ役どころではなく、この台詞もそれほど重要ではないのですが、なぜか一番目に思い浮かんだのです。
そうなると、台詞そのものが強く印象に残っていたのだろうと思います。それは永井さんの声優としての働きによるのかもしれません。
次に思い浮かんだ台詞は「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀が過ぎた」です。
そして「おいカツオ」と続きます。
ただ、この順番はそれほど明確なものではなく、ほとんど同時というか次々に浮かびました。あえて早い順で書くとこのようになります。
永井さんは「サザエさん」の“波平さん”の声優として、非常に幅広い世代に知られていると感じます。その波平さんの台詞では、「ばかもん」が多くの人の印象に残っているようです。
いわれてみれば頻繁に耳にしているような気がします。言われてみるまで思い浮かばなかったのは、一つの台詞よりも“波平さん”のイメージが強かったからかもしれません。
僕も「サザエさん」は子供のころからよく見ていました。
ただ、毎週楽しみにしていたとか、決して見逃がさないようにしていたというわけではありませんでした。
家庭用ビデオがない時代、どうしても見逃したくない番組は、暮らしの中にある事柄を調整していた、つまりテレビを見ることを優先的に考えるときがありました。
子供のころ、好きなアニメを見るために、親からいいつかった用事をやらなかったことがあります。
「サザエさん」はそうまでして見たいという番組ではありませんでした。
しかし毎週のように見ていました。それは僕だけはないような気がします。
「サザエさん」はそのような番組といえるのかもしれません。だからこそ、長く続いているのかもしれません。
社会人になると、生活時間からアニメ「サザエさん」を見る機会が少なくなりました。振り返ってみると、もう随分長い間「サザエさん」を見ていません。
それにしても“永井一郎さんといえば波平さんの声優”という印象が強くあります。
波平さんのイメージは強いものの、しばらく「サザエさん」を見ていなかったため、台詞を思い浮かべようとしたとき「ばかもん」ではなく、「おいカツオ」が出てきたのかもしれません。
波平さんの台詞より、ガンダムのナレーションが先に浮かんだのは、数か月前にインターネットテレビで「機動戦士ガンダム」を見たため記憶に残っていためかもしれません。
報道や情報番組でも取りあがられていますが、「機動戦士ガンダム」のナレーションも永井さんが担当されていました。
また永井さんはガンダムでは、実に多くの役をこなしていました。
ガンダムは戦争が舞台になっていますので、脇役の兵士などが何人も登場します。テレビでは、上官に報告する兵士の声などは、中心的登場人物の声を当てている声優が兼ねていることが多く、“カイさんの声だ”とか“ブライトさんの声優さんがやっているんだ”などと思ってみていたものです。
ただそのような脇役の声で、圧倒的に多かったのが、“ナレーションの声”でした。ガンダムの人気が高くなったころに出版された雑誌には、永井一郎さんは作中でもっとも多くの人物を演じた声優というようなことが書かれていたと思います。
ところで声優の加納悟朗さんといえば「ルパン三世」の銭形警部の声が一番目に思い出しました。報道などでも、もっとも取り上げられていたように見られます。
僕自身、銭形警部を一番目に思いつき、次が「宇宙戦艦ヤマト」の沖田十三艦長。その次に「仮面ライダー」のショッカー首領でした。
それぞれに印象深い台詞がたくさんあります。そのなかには決め台詞や名台詞もあるのですが、その一つ一つよりも、登場人物そのものが思い浮かびました。
内海賢二さんといえば、「Drスランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛が取り上げられていたようです。
個人的に、数か月前にインターネットテレビでみたこともあって、「ガンバの冒険」のヨイショの印象が強く残っています。
それ以外にも、非常に多くのアニメや映画で内海さんの声を聞いていると思うのですが、あまりに多すぎるのか、特定の登場人物も台詞もすぐには出てきません。
ただこれから、インターネットでアニメをみたり、テレビ放送された映画を録画したビデオをみたりしたとき、“内海さんの声だ”と思うことが何度もあるような気がします。
塚田正昭さんも登場人物や台詞は思い出せませんが、アニメや映画では塚田さんの声を頻繁に耳にしていると思います。
脇役を演じられることが多いため、一人の登場人物やその台詞が思い浮かばないのだろうと思います。
今回、インターネットで検索して、検索結果の一番上に表示されたインターネット百科事典をみると、実に多くの作品に声優として出演していることが書かれています。
これから何度も“塚田さんの声だ”と思うことがあるような気がします。