2014年3月15日土曜日

「グリーン・カード」 ピーター・ウィアー監督作品


恋愛を中心に描いた映画を、「恋愛映画」という呼び方で分類されることがあります。

映画の種類の一つといえるかもしれません。

 個人的に「恋愛映画」と聞いて、思い浮かぶ作品は「ローマの休日」「逢びき」「或る夜の出来事」「グリーン・カード」などです。

大分前にも恋愛映画について取り上げたことがあります。ただ書いたという記憶はあるのですが、内容やいつごろだったのか覚えていません。

そのため読み返していませんので、もしかしたらあの時は違う作品を上げていたかもしれませんし、趣旨が変わっているかもしれません。

 

今回、恋愛映画について考えると、色々な作品が浮かんできます。そして色々な映画を思い浮かべているうちに、“恋愛映画”という括りがよくわからなくなってきました。

多くの映画には、多かれ少なかれ恋愛の要素が含まれていると思います。それがまったくない映画が珍しいというわけではないのですが、何かしら恋愛について描いている作品のほうがずっと多いような気がします。

「トップガン」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ターミネーター」、「ハリーポッター」「トランスフォーマー」、などにも、恋愛を描いている部分があると思います。

 

「ターミネーター」や「トランスフォーマー」は、男女の愛情や恋心が物語の中心にあるわけではないと思います。ただ最近DVDで見たばかりですので記憶が新しいのですが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は物語の展開に、恋愛が大きくかかわっていると思います。

 ではこの作品が恋愛映画に分類されるだろうかと考えると、少し違うような気がします。

 実際“恋愛映画”の括りにいれられることは少ないだろうと思います。

この映画は恋愛が重要な意味をもつももの、物語の中心にあるのは時間移動だと思います。それを面白く展開するために、恋愛の要素が持ち込まれていると感じます。

そのため、この作品を恋愛映画とは感じないのだろうと思います。

 

 そのようなことを考えていると、ふと思い出したことがあります。

 個人的に「風と共に去りぬ」や「タイタニック」が恋愛映画に分類されていると、なんとなく違和感のようなものを覚えるのです。

 どちらの作品も恋愛が大きく描かれていますし、恋愛に関する場面が強く印象に残ります。それなのに恋愛映画といわれると、どこかしっくりこないのです。

 その理由を考えてみると、「恋愛映画」という言葉から作品の大きさや重さを感じないからかもしれません。

 ただそれはあくまでも個人的な感じ方です。そしその感じ方は人それぞれだと思います。

 

このように恋愛映画について考えるきっかけは、先日「グリーン・カード」のDVDを購入し、見たことだと思います。

この作品は1991年のアメリカ映画です。僕は若いころ劇場でこの作品を観ました。その時からとても気にいった作品だったのですが、今までテレビ放送などで見る機会はありませんでした。つまり、公開当時劇場で観た、その一回しか見ていないのです。

『間違いなく好きな映画だけど、DVDでも買わなければ、これから先この作品を見ることはないかもしれない』

 ふと、そんな気がしました。

 個人的にとても好きな映画なのですが、あまり有名ではないような気がしますし、なんとかく地味な印象があります。そのような映画は、自分から積極的に見ようとしなければ、見る機会が訪れることはないような気がしたのです。

 そこでDVDを購入して、久しぶりに見てみました。存分に堪能できた気がします。

 

 この作品は“恋愛映画”に分類されると思います。また、それほど強くはありませんが、80年代後半から90年代のアメリカ映画の雰囲気が漂っているような気がします。

 それがどのような雰囲気なのか言葉で言い表すことは難しいのですが、娯楽性に対する作り手の意識がにじみ出ている、というような感じです。

「グリーン・カード」は爆笑するような作品ではありませんし、娯楽性を強く押し出しているわけではないと思います。それでも、どことなくこの時代のアメリカ映画の雰囲気を放っていると感じます。

 多くの映画は、それぞれにその作品が製作された時代の雰囲気を、自然と醸しだすものかもしれません。

 

 そしてこの作品は、男優のジェラール・パルデューさん、女優のアンディー・マクドウェルさん、主演の二人がとても印象的です。

 特にアンディー・マクドウェルさんがとても魅力的です。若いころ劇場で観たために、その魅力が強く印象に残ったのかもしれません。そう思いながら今回DVDを見たのですが、あのころと同じように感じます。

 考えてみれば好きな恋愛映画の多くは、主演女優がとても魅力的に感じられるような気がします。

 上に書いた「ローマの休日」もそうですし、「プリティウーマン」や「ゴースト」「恋人たちの予感」、どの作品も主演女優がとても綺麗だと感じますし、その魅力が強く印象に残ります。

 脚本や映像の取り方や演出などによって女優が引き立つこともあると思いますし、女優の魅力によって映画の印象がよくなることもあると思います。