2014年3月7日金曜日

記録し保存し管理する媒体


歴史の教科書に載っている人物は、実在した人物だと頭では理解しているものの、なんとなく現実感がないというか、物語の登場人物に対する印象と似たような感じかたをしているような気がします。

 

歴史はあらゆる物語の題材になります。その物語の登場人物は、歴史上の人物になる場合が多いと思います。

また、歴史とは物語のように認識されることが多いような気がします。何かが起こるから歴史となるのだと思います。社会や国や世界にとって大きな出来事がなければ、年表にはなにも書かれないと思います。

何かが起こるには人間関係や利害関係が関わっているものだと思います。そのような関わりがあって、大きなが出来事が起こるのですから、人はそこに物語性を感じやすいのだろうと思います。

 

そんな歴史上の人物が自身で書いたとされる書状が見つかったという話題を耳にすると、なんとなく『本当に実在した人物なんだな』という気持ちが湧いてくることがあります。

歴史上の人物のなかには、近年の研究によって実在していなかったのではないかという説を耳にすることもあります。ただ戦国時代から江戸時代の有名な武将となると、実在していたことは確かだろうと思われます。

頭では“実在した”とわかっているものの、どこかに架空の人物のような感覚があるような気がするのです。

 

 そんな感覚に伴って『よく残っていたものだな』という考えも浮かんできます。

 戦国武将の書状となると、人物の存在が疑問視されるほど古いものではないと思います。それでも何百年の前のものです。しかも紙です。

紙が随分長い時間残っていたと思うと、そのこと自体に対して『すごいな』と感じるのです。

 

 紙は火がつけば燃えてなくなってしまします。水につかればやぶれてしまいます。破れるほどでなかったとしても、書かれたものは滲んでしまうことがあると思います。そして紙は、数枚なら重ねても、子供の力で簡単にやぶれてしまいます。

 さらに紙は、虫やカビなどによって状態が悪くなることもあります。

 最近の技術でしたら、火をつけても燃えない紙や、水に浸しても破れない紙や、水をかけても滲まないインクや、そう簡単には破れない紙や、虫やカビを防ぐ紙などがありそうな気がします。

 しかし、そんな高機能紙ではない何百年も前の紙が残っているのは、そのことだけで単純に『すごいな』と感じるのです。

 

『紙は長く残せる媒体である』 

ふとそんな気がしました。もちろん条件によると思います。しかしそれは、条件が整えば非常に長い時間残していけるということだと思います。

 それは歴史的なものばかりでなく、現在でもいえるような気がします。僕はパソコンにあるデータで、書類など印刷できるものは印刷するようにしています。パソコンを起動してファイルをひらくより、引き出しを開けて綴りをめくっていくほうが手っ取り早いと感じるためです。

 

 それは僕がパソコンにあまり詳しくないためだと思います。おかげで何度もデータをなくしています。今までに何回かパソコンに不具合が起き、初期化したり、修理に出したりしていますが、その度に何かしらデータをなくしています。

パックアップをとることの大切は聞き及んでいますので、それを行っていたつもりなのですが、いざ不具合が起きてみると『あのデータ、バックアップをとるのを忘れてた』とか『あのデータ、なくなってもいいやって思っていたけど、やっぱり残しておくべきだった』などと悔やむことが何度となくあります。

 

また、バックアップとしてCD-Rに書き込んだものの、数年後にはそのデータが消えてしまったこともあります。

CD-Rの使い方を正しく理解していなかったのか、書き込みが出来なくなったことがありますが、ちゃんと保存できていたはずなのに数年後に消えていたのです。

どうやらCD-RDVD-Rはそういうものらしいのです。考えてみれば保存しているデータは物質ではないももの、CD-RDVD-Rはモノです。時間が過ぎるほどに品質が劣化するのは当然なのかもしれません。

 

そんなこともあって、個人的に紙は保存媒体として有効だという気がします。大量の書籍などを保存する場合、紙はかさばりますし重いため大変だと思いますが、僕のパソコンにあるデータ程度なら、紙にしても大変というほどではありません。

4月になると、基本ソフトのサポート期間が終了するため、データを新しいパソコンに移しました。古いパソコンに保存しておくデータのなかで、印刷できるものは印刷しています。古いパソコンもインターネットにつなげない用途で使うつもりですが、USBメモリや外部機器に繋がないほうがいいと聞きますので、今のうちに印刷しているのです。

パソコンが壊れても、CDRが壊れても、紙に印刷したデータなら残っていくと思うのです。また、CD-Rが廃れてパソコンに読み取り機能がつかなくなっても、紙に印刷したデータなら、机の引き出しを開けて取り出すことが出来るだろうと思っています。