2014年6月19日木曜日

複雑で難しい問題ほど

 数年前から内戦が起きている国では、過激派が戦闘に加わったことで状況が複雑になり、混乱が深まったと見られています。
 あの国で、内戦状態になったかなり早い段階に、過激派が目論んでいたことがあるかもしれません。大国が空爆によって独裁者をやっつけることです。
 大国によって独裁者がやっつけられても、その国の民主化勢力は組織性が弱く統率されていなかったため、政治の受け皿になれなかったような気がします。
 過激派はそこをついて、武力で国をのっとろうと狙っていたかもしれません。
 独裁者が化学兵器を使ったとき、それが世界中に知れ渡れば“大国が独裁者を空爆で倒すはずだ”と武力を集めていたかもしれません。

 近くの国では、独裁者が倒された後の選挙で、宗教の色が濃い政治家が勝ったものの、短い時間しか続かず、結局、力ずくで覆されたといえるかもしれません。
それもあって過激派には“選挙”などという手段は端からなく、武力によって宗教で治める国にしようと狙っていたのかもしれません。
 しかし大国が独裁者を空爆しなかったため、過激派は集めた武力をもって戦闘に加わったのかもしれません。
 もし大国が空爆で独裁者を倒していたら、過激派が統治する国になっていたかもしれません。
 それを防ぐために大国は陸上部隊を投入せざるを得なかったかもしれません。そしてまた泥沼の戦争になったかもしれません。
 
 戦闘は、すればするほど人も武器も弾薬も減っていくものです。
 戦闘をすることで勢力が大きくなったということは、外から人や武器が加わったということだと思います。
 それは戦闘をするために集まった勢力、あるいは戦闘をやりたい勢力といえるかもしれません。
 そういう集団は強い場合が多いと思います。また戦闘をするために集まっているのですから、停戦する考えを端からまったく持ち合わせていない場合もあると思います。
 
戦闘は『これ以上、血を流したくない』とか『出来れば戦闘はしたくない』などという声がありながらも、続いてしまうことがあります。終わらせたくても、終わらない戦闘があるということです。
そうではなく、血を流すことをいとわない勢力が戦闘をしているとなると、それを終わらせることは非常に難しいものだと思います。

また内戦は長くなりやすいものだと思います。
内戦が長引くほど『これだけの犠牲を払ったんだ。ここで引き下がるわけにはいかない』という意識が強まり、それによってさらに長くなる傾向があると思います。
何十年も内戦が続くこともあると思います。
そして国民の間の対立意識が非常に根深いことも、内戦が長引く理由の一つだと思います。

また、宗派や民族、政治などが関わるため、勢力の構成も対立の構図も非常に複雑になっていると感じます。
首都でおこっている爆弾テロは、進撃してきている過激派とは宗派や系列が同じでも、直接的な繋がりのない者によって行われているものもあるようです。もしかしたらほとんどがそうかもしれませんが、ひとくくりにイメージされやすいような気がします。

かつて大国がその地で戦争をしたことは、明らかに間違いだったといえると思います。
戦争をする理由がなかったのに戦争をした、それは大義がないのに軍事力で攻めたということであり、それは非難されるべきだと思います。
ただあの時、大国の国民のなかでは、あの戦争を肯定的に捉える声があったような気がします。なかには『悪者をやっつけるには嘘も方便だ』と考えていた人がいたかもしれません。
大国の友好国のなかにもそう考える人がいたかもしれません。
また、数年前に内戦が起きた国のように、大国が介入しなくても、国内で武力による対立がおこることはあり得るかもしれません。
それにしても、大国は過ちだった戦争の後始末が、実質面でもイメージ面でも、大きなダメージになっていると感じます。

現状はどんどん悪い方向に向かっていると感じている人が多いと思います。
何かしなければならないと考えている人が多いと感じます。しかしどうすればいいのかを考えると、非常に難しい状況だと思います。
そんな時、人は強硬な思考をもつ傾向があると思います。
『悪者をやっつけろ。それが正義だ。正義の味方は力を振るうものだ』
 
状況は複雑かつ流動的であり、考えてもそれに追いつけないため、短絡的な思考にひかれる心理があるのかもしれません。
 人は難しい問題ほど、単純な解決策を求めるものかもしれません。
 しかし難しい問題に対して、単純な解決策を用いたことで、解決が難しくなることがあるかもしれません。

 空爆には様々な思惑や目論見があるかもしれません。空爆を行うと、必ず民間人の犠牲が出たという声が聞かれると思います。実際に犠牲者がでると思いますし、それを広く伝えて国民の反感をあおり、国際的に非難させようとするかもしれません。
また、大国が過激派を空爆すること、それによって大国が国民や宗教の信者から敵視されること、それらを期待している民族勢力があるかもしれません。
今、空爆をすることは、軍事的にも政治的にも非常に難しいといえるかもしれません。
ただこのままでは世界中にとってよくないという認識は、どこの国でも持っているような気がします。大国だけでなく、別の大国や新興国にも小さからぬ影響があるような気がします。
周辺国と協調することはもちろんですが、大国同士や新興国とも連携して事態を収める必要があるような気がします。これ以上、武力が入り込まないようにしなければならないような気がします。

それに、大国同士が折り合って、隣の国の内戦を収めることが必要だという気がします。