2014年7月22日火曜日

丁寧な説明


 消費税は、何十パーセントであろうが、あくまでも単一税率で行ったほうがいいと思います。

 軽減税率を導入するという法律は、10%の間に改正するべきだと思います。

 

 日本の社会保障費が、これからも増加し続けていくことは確実だと聞きます。

 その財源を確保しなければならないため、消費税が増税されるのだと思います。

 消費税は景気に左右されにくい税制度であるため、確実に増えると見込まれることに充てるには適した財源だと考えられます。

 

 ただ“景気に左右されにくい”ということは、不景気でも税金を納める額が下がらないという見方が出来ると思います。

 それは国民にとって重い税金ということになると思います。

 国にとって必要だから、重い税だということを承知して、導入するべき制度だと思います。

 軽減税率は、その重さを軽くする策としては、発想が安易で、効果が不十分だと感じられます。

 

”低所得者の税負担の軽減”
”すべての消費者の税負担感の軽減”
それが軽減税率の利点だと思います。

 軽減税率の不利点を考えてみます。
”低所得者の税負担軽減としては不十分だということ”
”税収が下がるということ”
”さらなる増税の理由になり得るということ”
”今後消費税の税率が上がりやすくなるということ”
”消費者にとって価格がわかりにくくなるということ”
”対象とする品目の選定が難しいということ”
”販売者にとって事務処理が煩雑になるということ”
”生産者や加工者にとって事務処理が煩雑になるということ”
”そのための費用が発生するということ”

 

 軽減税率は、低所得者の税負担を軽くするには不十分だと思います。

 しかし軽減税率で低所得者対策をしているということで、十分な対策が施されないかもしれません。

それでは低所得者の税負担は、軽くならないと思います。

そこで軽減税率を導入し、さらに別の低所得者対策を行うことになるかもしれません。しかしそれなら、軽減税率を導入する意味が薄くなると思います。

わざわざ不十分な対策を講じる必要はないということです。

 

マイナンバー制度の、導入に向けた取り組みが進められていると聞きます。

個人情報の管理に不安がなくなり、有効に活用されるようになれば、所得に応じた税負担の軽減策が講じられると思います。

軽減税率よりは、ずっと確かな対策になると思います。

そのように有効な低所得者対策が、将来実施できるようになったとしても、一度軽減税率を導入してしまうと、やめることは出来ないと思います。

「所得に応じた給付金を支給しますので、消費税の軽減税率を廃止します」

 それは相当に難しいと思います。

 軽減税率ははじめから導入しないほうがいいと思います。

 

 世界に目を向けると、軽減税率を導入している国が多いと聞きます。

 国によって事情は様々だと思いますが、安易な発想は、安易であるがゆえに大衆に受けいれられやすかったのかもしれません。

 また、“他の国もやっている”ということで、思考が硬直したのかもしれません。

 あまり深く考えずに、真似すればいいということだったのかもしれません。

 新聞や書籍を軽減税率の対象にすることで、マスコミによる消費税に対する批判を抑えようとしたのかもしれません。

 

 軽減税率は対象とする品目の選定が難しいと思います。それには、業界や企業の思惑が大きく関わると思います。政治的影響力が関わることもあるかもしれません。

それらによって選定は複雑になり、対立や混乱が起こりやすいような気がします。

消費税はあくまでも単一税率で行い、それに国民が耐えられないほどには上げないようにするべきだと思います。

 

それに、軽減税率を導入すると、どうしても税収が下がってしまいます。その分の財源を別の方法で確保する必要があると思います。

しかし消費税のように景気に左右されにくく、安定した財源を見つけるのは大変だと思います。

そうなると、さらに増税するということになりそうな気がします。

軽減税率の導入が、さらなる増税の理由になるということです。

 

『軽減税率で税負担を軽くしているのだから』という意識が政治家にも国民にもあるため、消費税の税率が上がりやすくなると思います。

今まで日本は、消費税をあげることが難しい国だったと思います。

消費税は国民にとって重い税制度だと思いますので、あまり簡単にあげられないほうがいいような気がします。

 

軽減税率の導入に積極的な政治家が『国民から理解が得られるように、丁寧な説明しなければならない』という趣旨のことを言っていたと思います。

この言い方ですと、丁寧に説明すれば理解が得られるような論理があるのだと思います。

それがあるのなら、政治家はちゃんと丁寧に説明しなければならないと思います。

一国民として、ぜひ聞かせてもらいたいと思います。

軽減税率の導入が、国民にとって“いいこと”だと思える意見を、今までに聞きたことがないからです。

それを聞いてから、改めて自分の意見を考えたいと思います。

 

もし、丁寧に説明すれば理解が得られるような論理がないのに軽減税率の導入を進めているのであれば、政治家であれ、政党であれ、マスコミであれ、その他の企業であれ、業界団体であれ、糾弾されても仕方ないと思います。