2014年7月27日日曜日

狙い通りになると


 数年前に中東で立て続けに起こった民主化運動の多くは、インターネットが使われたといわれていました。

 交流サイトによって、民主化を求める運動が、急速に広がったと聞きます。

誰かの“声”を速く広く伝えることが出来るのは、インターネットという“道具”の特徴の一つだと思います。

中東の民主化運動は、その特徴を存分に生かしたといえるような気がします。

 

その特徴は人間社会にとって役立つと思います。

しかし、常にそうだとは限らないと思います。

しかし、人間はそれを認識できてないと思います。

マスコミは、それを認識できていないと思います。

中東で民主化が起きた時は特にそうだったと思います。

 

“交流サイトで大勢の人間が集まった”それ自体に喜びを感じ、満足感を得ていたように見られます。

“交流サイトで大勢の人間が集まることで政治体制を崩壊させた”と大騒ぎをしていたと感じます。

 それはそれでいいのですが、“政治体制を変える”ということに対する認識が低すぎたと感じます。

 はじめからあまり高くなかった感がありますが、“交流サイトで大勢が集まった”と大騒ぎすることで、さらに低くなったと感じます。

 

 そして既存メディアも、“交流サイトで大勢の人間が集まった”ことと“それによって政治体制を崩壊させた”ことを大きく取り上げたと思います。好意的に報じるマスコミが多かったと思います。

それは、政治体制の変化に、意識が向けられなくなることに繋がったと感じます。

 マスコミはそれを自覚していなかったと思います。ただ、自覚しながらも“うけがいい”と考えて、交流サイトを使った民主化運動を、過剰に好意的に報じた感があります。

 それが、その動きを各地で助長させたと感じます。

 

“民間人を標的にした攻撃は、非人道的である”

 人類は、今まで数え切れないほどの、争いをしてきたと思います。戦争など、武力を使うことで、多くの血を流してきたと思います。

「世界大戦」と呼ばれる戦争もあったと思います。「世界」といえるほど、大きな戦争だったのだと思います。

 

その大きな戦争では、多くの民間人を狙った攻撃が行われたと思います。

多くの民間人を殺戮することで、国を弱らせ、抵抗する軍の意識を砕こうとしたのかもしれません。

当時は、戦争とはそういうものだという認識があったのかもしれません。民間人の殺戮も軍事作戦のひとつだと考えられていたのかもしれません。

 

それが現代では、軍が民間人を狙って攻撃することは、非人道的であり、行うべきではないと、広く認識されていると感じます。

過去の戦争から得た教訓といえるかもしれません。

それでも民間人の犠牲者をなくすことは、難しいと思います。

民間人の犠牲者がでると、国際的に非難されると思います。

それが利用されるようになっていると感じます。

 

 武力を持った勢力が、民間人を盾にするようになったと見られます。

 盾にするだけでなく、相手の軍の攻撃で民間人が犠牲になるように、仕向けることもあると思います。

 民間人を犠牲にして、相手の軍に対する国際的な非難を強めようと、謀るということです。

 

 その場合、多くの民間人が犠牲になるほど、攻撃した側に対する国際的な批判が強まると思います。

 また、大きな同情を引く犠牲者を出せば、国際的な批判が大きくなりやすいと思います。

 多くの子供たちが、軍の攻撃によって犠牲になり、その様子が報じられると、世界中から非難されると思います。

 

 それは謀った側からすれば、思う壺だと思います。

 そして、また同じことが行われると思います。効果があったのなら、それを繰り返すのは当たり前のことだと思います。

これからも、子供のように多くの同情を集められるような民間人を、犠牲にしようと謀ると思います。

 

 謀った者の思惑通り、マスコミは同情心を煽るように報じると思います。謀ったものの狙い通り、攻撃をした側に批判が集まると思います。

狙い通りだから、また繰り返されると思います。さらに悲惨な状況を起こそうと狙うと思います。

 

そうすると、民間人の犠牲を出さずに攻撃することは、難しくなるばかりだと思います。

 それもあって、攻撃した側は、民間人の犠牲者が出ることを厭わなくなっていると見られます。

 相手側が民間人の犠牲者がでるように謀っていると知りながら、それでも構わずに攻撃しているときがあると見られます。

 多くの民間人が犠牲になる。それを十分に認識したうえで攻撃していると見られます。

 むしろ、民間人を狙っていると感じることも少なくないと見られます。

 

片や、民間人が犠牲になるように謀っている。

片や、民間人が犠牲になることをいとわない。

過去の戦争から得た教訓を忘れ、倫理観が崩壊していると感じます。

近い将来、軍が民間人に対して、無差別大量虐殺を行うようになるかもしれません。