2014年7月25日金曜日

文章自動作成ソフト


「ロボット記者」

 少し前にそんな言葉を目にしました。

アメリカの報道機関で、企業決算に関する記事を、コンピューターによって自動的に作成する試みをはじめるそうです。それによって記事の数が格段に増やせるようです。

自動作成された記事は、人間の記者が確認してから発信され、また世間の関心の高い企業の記事は、今までどおり人間が書くとのことです。

 

「ロボット記者」と聞くと、アニメやSFで描かれるような、人間型のロボットが人間の記者と同じように取材をし、人間の記者と同じように机に座って記事を書く姿が思い浮かびます。

 人間の記者とコンビを組んで取材をし、ロボットの機能を生かして活躍する物語を想像します。はじめは人間の記者とロボット記者の関係が、ぎくしゃくしていたものの、次第に息が合うようになり、そんななか殺人事件の取材をしているときに、巨大な陰謀に巻きこまれる。そんな物語を想像します。

しかしそういうものではなく、コンピューターが自動的に文章化することのようです。

 

記者は取材することも仕事だと思いますが、ここでいう「ロボット記者」は“記事を書く”その仕事だけをするようです。

ただそれにしても、コンピューターによる自動的に文章化するとなると興味がわきます。そこで、インターネットで検索してみました。

すると一つのサイトに、今年3月の日付がついた文章がありました。それには、アメリカの報道機関では、コンピューターによって自動的に記事を作成するプログラムが実用化されているという趣旨のことが書かれていました。

 

 地震が起きた時、発信された記事が、そのプログラムによるものだったそうです。その記事を日本語にして要約している文章を読むと、まったく違和感がありません。普段から、よく見聞きする地震を報じる記事だと感じます。

 何もいわれなければ、コンピューターが自動的に書いたとは気づかないと思います。

 そのプラグラムを用いると、殺人事件も自動的に記事を作成し、即座に報じることが出来るようです。

 

また、スポーツの結果や金融に関する記事を、コンピューターで自動的に作成する“ロボットジャーナリスズム”に関する企業が、アメリカには数社あるそうです。

スポーツに関する記事の場合、今回の試合結果や過去の戦績、選手の記録などを取り込んで、自動的に文章に起こすようです。

そしてそれは、事実や記録を羅列するだけでなく、人間性を感じられるというか、読んで受け入れられるような文章を書くことが出来るようです。負けたチームを取り上げたり、好プレーに焦点を当てたりするとのことです。

 

金融に関する記事などは、企業の決算、過去からの業績の変遷、専門家による市場予想などを、取り込んで自動的に文章にするのだと思います。

そして、コンピューターが自動的に書く記事は、対象を絞ることも出来るとあります。

金融関連の記事の場合、特定の株主だけにむけたものが書けるということのようです。

スポーツの場合は、一般向け、チームがある地域向け、競技団体向けなど、内容を書き分けることが出来るのかもしれません。

何に焦点をあてるのか、誰を対象とするのか、それによって記事の書き方は違ってくるものだと思います。

コンピューターではそれが簡単に設定できるようです。

 

そこで別のサイトを見てみると、2012年の7月つまり一年ほどまえに書かれた文章がありました。

そこには、野球の結果や、株式市場などに関する記事を自動的に作成するソフトが開発され、アメリカの企業が使用していると書かれています。

そのソフトはIT企業が作ったそうで、それによって自動作成した記事を報道機関に配信しているそうです。

その際に、配信する報道機関に合わせて、個性というか“らしさ”を加味した記事が書かれるそうです。

報道機関の方向性や、文章表現の仕方などを、データとしてソフトに与えることで、それが出来るようです。

 

冒頭にかいた「ロボット記者」は、今月の初旬に目にしました。すごく新しいことだと感じましたが、インターネットで検索すると、もっと以前に書かれている文章が見つかります。

大分前から進んでいた事柄なのかもしれません。

 

こうしてみると、個人的にいくつかの考えが浮かんできます。

そう遠くない将来、文章の自動化は一般にも普及するかもしれません。

手紙やレポート、業務関係の書類などが、コンピューターによって自動的に文章化されるということです。

いくつかのデータを入力し、目的や対象を指定し、例文から望ましい雰囲気の文体を選択し、テーマの優先順位を決定し、実行キーを打てば、コンピューターが自動的に文章を書いてくれる、そんなソフトがあたりまえのように使われる日がくるかもしれません。