2014年8月22日金曜日

予測、予想、予報

 気象に関する災害は、ある程度予測できる場合があると思います。
 台風や大雨などの気象情報は予想されますので、それによる災害も事前に予想することも出来ると思います。

 ただあくまでも予想ですので、絶対に確実に詳細にあたるというわけではないと思います。
 また局地的な気象状況については、予想が難しいと聞きます。
たとえば竜巻は、突発的に発生する気象現象という印象がありますので、事前に予測することが難しいだろうと思います。

日本では、数年前まで竜巻による被害を耳にすることは、非常にまれだった感があります。それが数年前から、竜巻と思われる突風による大きな被害が報じられることが増えたと思います。
多くの人がスマートフォンや携帯電話を持っていて、すぐに情報が発信されることも関わっていると聞きます。

以前でしたら局地的な気象状況が起きても、それが広く伝えられることは少なかったのに、今はまさに竜巻が起きている時に、インターネットでその様子を撮った動画が発信されるようです。

最近では竜巻注意情報を見聞きすることがあります。局地的な予想は難しいと思いますが、ある程度地域を広げて、竜巻が起こりやすい気象状況になっていることを確認することが出来るのだと思います。
 それにしても、いつ、どこに、どの程度の大きさで、どの程度の威力をもつ竜巻が発生し、どのような動きをして、いつ、どこで、消滅するのか、正確に予想することは、相当に難しいだろうと思います。

台風ならば進路などの予想が連日報じられます。
進路は扇型に幅を持たせて予想されていますが、それでも“これからどのように進むのか”予測され、それが広く発せられます。
そして場合によっては、警戒することが促され、避難指示や避難勧告がされることもあると思います。

 こうして考えると、気象による自然災害は、地震と比べると、まだ予想が出来るといえるかもしれません。
 しかしあくまでも予想は予想ですので、絶対に確実で詳細に今後の気象を示すわけではないと思います。
 また近年、各地で多発している局地的な大雨については、なかなか予想出来ないようです。やはり範囲を絞り込むほど、気象予報は難易度があがるのだろうと思います。

 考えてみれば、気象に関する自然災害を予測するということは、気象状況を予想し、その影響を予想しなければならないのだと思います。
 大雨による災害は、どれだけの雨量が、どれだけの時間ふりつづけるのかを予想することと、それがどのような影響をもたらすのかを予想しなければならないということです。

 過去に、土砂災害や浸水被害があった地域では、また同じようなことが起こるのではないかと、予想し警戒することもあると思います。
 それが役立つこともあると思います。

 しかし、過去に雨による大きな災害が起きたことがないと、今回はそれが起きるのではないかという考えは、浮かびにくいものだと思います。
 起きてみるまで、『ここでこんな災害が起きるなんて思っても見なかった』とか『土砂災害など、他所で起こるものだと思い込んでいた』と感じる人もいるような気がします。

 もし以前、近くで大雨による土砂崩れがあったら、自分のところが心配になる人もいると思います。
 そうではなく、『あの雨でも大丈夫だったんだがから、この辺りは安心なんだろう』という観念を持つ人もいると思います。
 また心配になった人も、具体的にどうすればいいかわかないかもしれません。
 そしていつ起こるかわからない災害に対する不安は、いずれ薄らいでいくかもしれません。
 
自分が暮らしている地域の地盤や地質を知っている人は、そう多くはないと思います。
また、地盤や地質による危険性を知っている人は少ないと思います。
今まで土砂災害などが起きておらず、調査や研究などが行われていない地域もあると思います。

自然災害は、“起こる”と目されていない場所でも、起こり得るものだと思います。
大雨はある程度の予想が出来ると思います。
しかし、いまだかつて経験したことがない雨ならば、それがどのような災害を起こすのか予想することは難しいと思います。
そう考えると、状況によっては、気象による災害を予想することも、地震を予想することも、同じように難しいといえるかもしれません。

昨日、地震の予想を公的機関が公表するのは、いつくかの条件を満たさなければならないという趣旨のことを書きました。
現実的に考えると、大地震の予想を公表することは極めて難しいと思います。
しかし予想が難しいから、またそれを公表出来ないから、予想しなくてもいいというわけではないと思います。予想などしなくてもいいとは思いませんし、予想するべきではいとも考えていません。

地震の予想は、それ自体が地震の研究だと思います。
 研究は必要だと思いますし、いつか予想の精度が高くなれば、公表することで被害を未然に防げるかもしれないと思います。

 ただ現状では、予想が難しいことを前提とした備えが必要だと思います。