2014年8月4日月曜日

言論の封じ方


 消費税の軽減税率は、まったくというほど議論されずに法案になったと感じています。

論じられるのは、対象品目に関することばかりだと感じます。

 軽減税率という制度そのものについて語られることはないと感じます。

それが語られるのは、制度導入を進めることを前提にしているものばかりだと思います。

軽減税率に反対する声は滅多に聞かないと感じます。

 

 では反対意見がないのかというと、そうではないと思います。僕自身は軽減税率の導入に反対ですので、ここでは何度も書いています。

 時々、同じような見解を聞くこともあります。しかし滅多にありません。消費税が8%に上がってからは、一度もないような気がします。

 

 つまり消費税の軽減税率は、制度そのものの是非について語られていないと感じるのです。制度について論じられぬまま法律になったような印象があります。

 少し前に公明党の税調会長が『丁寧な説明をして理解を得る必要がある』という趣旨の発言をしていた覚えがあります。

 丁寧に説明すれば理解を得られる論理を持っているのだと思います。

 ぜひそれを聞かせてもらいたいのですが、今までのところ聞いたり読んだりしていません。

 

そのため、制度について論じずに、導入を進めようとしていると感じます。

 丁寧に説明すれば理解を得られる論理など、端から持っていないと感じます。

 論理がないから、論ぜずに推進しようとしていると感じます。

品目について話し合っている様子を示せば、軽減税率について何かしら論じているように見えると踏んでいるような気がします。

 

また政治家の中には、『軽減税率は、“税を軽減する”制度だから、それに反対すると国民の“うけ”が良くない』と考えている者がいると感じます。

野党の政治家は、“税を軽減する”制度に反対などするはずがないと思います。

ただ黙って入ればいいのですから、端から制度について考える必要はないと思います。 

政治家のなかには、軽減税率の制度など、なにも考えていない人がいると感じます。

 

 消費税の軽減税率は、発想自体が安易で短絡的だと思います。

 先行導入している国の、対象品目の選び方を見ると、“品目を決める”それ自体に“幼稚なことをしている”と感じることがあります。

 人間にとって生活必需品はありますが、その品目は個々人によると思います。国が線引き出来るものではないと思います。

 

 生活保護に関することで、かつてクーラーは贅沢品だったと聞きます。しかし熱中症によって命を落とす事案があり、生活必需品として認められるようになったと思います。

 またここ新潟市で、一般的な考え方をすれば、暖房は生活必需品に含まれると思います。

しかし軽減税率を導入している国で、冷暖房器具を対象にしているという話は耳にしません。

 

ちなみに冷暖房器具は、様々なものが売られています。石油ストーブ、ファンヒーター、扇風機、エアコン、空気清浄機能つき低燃費型エアコンなどです。

 

また、地方では自動車を生活必需品だと考えている人が大勢いると思います。当然その燃料も生活必需品だと思います。

軽トラックなど、明らかに仕事に使う車ばかりでなく、移動手段として自動車が生活に必要だという人は多いと思います。

軽減税率を導入している国で、自動車を対象にしているという話は耳にしません。

 

ちなみに移動手段の自動車にも、様々な車種が売られています。大型の四輪駆動車は、積雪がある山間地の移動手段として非常に役に立ちます。しかしその車はレジャーに使うことも出来ます。

 

ところで生活必需品といえば、まず衣食住が思い浮かびます。

その“衣”のなかでも、下着は生活必需品だと思います。

軽減税率を導入している国で、衣類を対象にしている国は少ないようです。

 

ちなみに男性用下着には、百円硬貨三枚でおつりがくるものもあれば、千円札を三枚ださなければ買えないものもあります。

 

“食”には、安価な外国産の牛肉もあれば、高級国産和牛もあります。

“住”には、風呂なし、トイレ共同、六畳一間の集合住宅もあれば、庭付き一戸建て住宅もあります。

 

軽減税率の品目選びは、“公の視点”よりも、“個の視点”が強く反映されると感じます。

自由経済の下で軽減税率を導入すれば、当然そうなると思います。仕方ないことだと思います。

しかしそれは“公の視点”が弱まるということになると思います。

結果的にそれは国民の負担になって、回ってくると思います。

 

そして“個の視点”によって、軽減税率という制度に対する反対意見が封じられていると感じます。

政治家の大先生様のなかには、色々な業界とのつながりが深い人物も少なくないと思います。

また書籍などの出版物を刊行している政党があると聞きます。政党に関わらず、政治家の大先生様の多くが本を出しているようです。

 

それに有識者の大先生のなかにも、専門分野に関する団体や業界と深いつながりをもっている人もいるのだろうと思います。

有識者の大先生の多くが出版物をだしているようです。新聞に寄稿したり、連載をもっていたり、新聞社とつながりがある大先生も少なくないと思います。

 

自動車や冷暖房器具や衣類を軽減税率の対象にしている国は少ないようです。
多くの国が新聞や書籍を軽減税率の対象にしているようです。