2014年9月13日土曜日

あの約束はどうなったの?

『民に重い税を課したんだ。大先生さまも、お役人さまも、その身を削ってくださいよ』
 一時、「身を切る改革」などという言葉を頻繁に耳にしました。今では、その言葉も、その取り組みも消えてなくなったような印象があります。

消費税は国民にとって非常に重い税金だと思います。
 消費税は、年齢性別収入に問わず税金を納める制度だと思うからです。
ただそれだけに、国にとっては安定した財源になると思います。
社会では誰かが買い物をしなくも、他の誰かは買い物をするものだと思います。
誰であれ買い物をすれば、国にお金が入る仕組みが、消費税という税制度だという気がします。

また消費税は、景気の良し悪しに左右されにくいといわれます。
景気が悪くても余程のことがない限り、お金持ちがいなくなるわけではないと思います。
経済が大きく壊れなければ、誰かが買い物を控えても、他の誰かが買い物をするものだと思います。
そのため、国にはお金が入る仕組みといえるかもしれません。

 それにしても、一般的に消費活動は景気に大きく左右されるものだと思います。
 景気が悪くなると、買い物をする人は少なくなり、使うお金の額も小さくなるものだと思います。
 それでも消費税が景気に左右されにくい財源になるのは、景気が悪くても買わなければならないものに税金がかかっているからだと思います。
 景気に関わらず買わなければならないもの、即ち生活必需品です。
 
 消費税は生活必需品に掛っているからこそ、安定した財源になるのだと思います。
 軽減税率は消費税の理念からすると、反対の発想といえるかもしれません。また軽減税率は、一部の業界が優遇されることになると思います。そのために導入している国があるのかもしれません。
一部の業界が優遇されるため、やめたくてもやめられないのかもしれません。
一部の業界が優遇される制度は、多くの場合、国と国民のためにならないと思います。
軽減税率はその一つだと思います。

 国にとって安定した財源になるということは、国民にとって重い負担だといえるような気がします。
国が国民に重い負担を強いるという印象をもつ人もいるかもしれません。
ただそれが必要なのが、今の日本の状況だと思います。
これからの日本の状況を予想すると、先延ばしにするともっと苦しくなるような気がします。
未来のことは誰もわかりません。先送りするということはそれだけでリスクを抱え込むことになると思います。
数年前の欧州各国の財政危機の様子をみると、切羽詰ってからどうにかしようとすると、非常に大変だと思います。

それにしても国民にとって重い税を課すとなると、税金をしっかり使ってもらわなければ間尺にあわないと感じます。
俗に言う税金の無駄使いを、徹底的に無くしてもらいたいと思うものだと感じます。
お役人さまの数は減っていると聞きますが、お役所が国のお金を取り合って、毎年度ごとに無理やり使い果たしてしまう、そういう根っこの部分を変えていかなければならないと思います。

そして国会議員は“身を切る”ことを約束していたと思います。
個人的に、国会議員はある程度“いい給料”をもらうべきだと思います。国のことを決めるのですから、国会議員は大変な努力や苦労をしてもらわなければならないと思います。
大変な努力と苦労には、良い報酬が与えられるべきだと思います。
それに国のことを決めるのは、とても大事な仕事だと思います。
世の中には、大事な仕事でもそれに見合った報酬がもらえないこともありますが、政治家は一般的な感覚の“いい給料”をもらえていると思います。

政治家の多くから選挙に金がかかるという声を聞きます。だから政治家の給料が高くなければならないし、それでも足りないという趣旨の言葉を耳にすることがあります。
個人的な感覚ですが、選挙につぎ込ませるために、政治家に税金から給料を払っているわけではないという気がします。

人によって大きさに違いがあるのもの、政治家はみな権力を有していると思います。
そして権力があるとこには、お金が集まるものだと思います。
政治家と利権は切り離すことが出来ないと思います。
消費税が増税され、能天気にウハウハした笑顔を振りまいている大先生さまもいるかもしれません。
それにしても政治家は、政治家であるがゆえに得することがあると思います。
それを完全に否定できる国会議員は一人もいないのではないかという気がします。

“政治家が身を切る”ということは、政治家のために使われている税金を減らすことだと思います。
 ただそれよりも、“オイシイ思い”をしている政治家を減らしてみせるということに意味があるような気がします。
『国民に重い税金を課したのだから、政治家もちょっとは自分の身を削ってみせてよ』

 前回の衆議院が解散する時に、当時最大野党の総裁は議員定数を削減する約束をしたと思います。
 その約束をした人物は今、総理大臣の座についていると思います。

 その人物は大きな権力を手にしたわけですが、約束は果たされていないように見られます。