2014年9月15日月曜日

「ブレイブハート」 メル・ギブソン監督作品

ネアンデルタール人は、人類の祖先にとても近い種だったそうです。
 そしてネアンデルタール人は、現生人類に属するクロマニョン人と、同じ時代に、近い場所で暮らしていたと見られています。
 
しかしクロマニョン人は今日まで子孫を残してきましたが、ネアンデルタール人は絶滅しました。
 その理由は、クロマニョン人によって滅ぼされたなど、色々な説があるようです。
勝手な想像ですが、ウィルスによる可能性もあるのではないかと思います。
近しいとはいえ別の種でしたので、クロマニョン人とネアンデルタール人では、同じウィルスでも、同じように感染しなかったかもしれませんし、感染した場合の症状の重さなどが違っていた可能性があると思います。

クロマニョン人とネアンデルタール人は別の種でしたが、進化をたどっていくと同じ祖先にたどり着くそうです。
アフリカで生まれた人類の祖先が、進化の過程で枝分かれしたと考えられるようです。
 その枝分かれによって、いつくかの種の古生人類が地球上に現れたようですが、種を残し続けることが出来たのは現生人類だけだったということだと思います。

そうして考えると、進化の難しさのようなものを感じます。
世界はとても広く、様々な環境があるのに、人類はアフリカから生まれたひとつ種だけが子孫を残し続けられたのだと思うのです。
そして、今この世界に生息しているあらゆる生物は、いくつもの必然性と偶然性によって存在しているような気がします。
今の人類には、多くの人種がいて、多くの民族がいますが、元をたどればみんな同じ祖先をもつ、同じ種の生き物なのだと感じます。

ところで、以前「ナチュラル」や「グリーンカード」という映画について書いたことがあります。
どちらも若いころに劇場で観て、とても気に入った作品です。どちらも少し前にDVDを購入しました。「グリーンカード」を取り上げた時に書いたような気がしますが、DVDでも買わなければ、再び見る機会がないような気がしたのです。

ここでは何回か取り上げていますが、名画を再上映する「午前10時の映画祭」という企画があります。上に書いた二つの映画は、そこで取り上げられる可能性は低いような気がします。
また僕のテレビは地上波しか見られません。上に書いた二つの作品は、これから地上波で放送されることはないような気がします。

『DVDでも買わなければ、今後この映画をみることはないだろう』
そこでDVDを購入したのです。
「ブレイブハート」も劇場で観て気に入りましたし、アカデミー賞を受賞しているのですが、この先、地上波で放送されることはないだろうと思いますし、映画館で観る機会もないような気がしました。
 そこで、数か月前にDVDを購入しました。

この映画は、13世紀末のスコットランドが舞台です。イングランドの支配に立ち向かった英雄を主人公とした叙事詩だと思います。
 主役と監督をメル・ギブソンさんが務めていて、この作品でアカデミー監督賞を受賞しています。
 俳優が監督をした作品は時々目にします。その中には高い評価を受けた作品もあります。アカデミー監督賞を受賞した作品もあり、以前、取り上げた「ダンス・ウィズ・ウルブズ」もその一つです。

“メル・ギブソンさんが監督をして、アカデミー賞を受賞した映画”
「ブレイブハート」は、まさにそういう作品だと感じます。
 メル・ギブソンさんは、アクション映画の印象が強い俳優だと思います。その彼が監督をしただけあって、戦いの場面はとても迫力があると思います。
 また“主人公をかっこよく見せる”、そんな画面の作り方を心得ているような印象を受けます。
 それを生かす素材として「ブレイブハート」はとても適していると感じます。
 
 俳優が監督をして、有名な賞を受賞する場合、その作品には芸術性が感じられることが多いと思います。
 この作品は、歴史を基にした壮大な物語であり、実在した人物を基にした英雄譚でもあると思います。そして戦や闘争があります。
 メル・ギブソンさんの俳優としての魅力と、監督としての感性を存分に引き出しながら、主張が埋め込まれており、芸術性も感じられる、そんな映画だと思います。

 現在、スコットランドとイングランド、ウェールズ、北アイルランドは一つの連合国家となっています。
その歴史には、被支配者と支配者の関係があったと聞きます。それが今でも意識の中に根深くあるとも聞きます。時に多くの血が流れたそうです。
 かつて、冒険小説にはIRAに属する人物が、よく描かれていた感があります。そのなかでも、個人的にリーアム・デヴリンがとても好きです。

 人種や民族や言語が違っていても、人類の祖先はひとつだそうです。

 スコットランドに住む人も、イングランドに住む人も、ウェールズに住む人も、北アイルランドに住む人も、起源をたどっていけば同じところにたどり着くのだろうと思います。