2014年9月7日日曜日

多選と世襲

 内閣が変わると、改めて世襲議員の多さを感じる時があります。重要だと目される閣僚に、世襲議員が多いような印象を受けます。また、元総理大臣の息子や娘や孫や兄弟などが目につくような気がします。
党内に世襲議員が多いのですから、そのなかから選ばれる大臣も世襲議員が多いのは当たり前かもしれません。

世襲議員は当選回数が多くなりやすい傾向があると感じます。
地盤がしっかりしているからこそ、議員は子供に後を継がせたいと考え、子供は親の後を継ぎたいと思い、支援者は親近者に後を継いでもらいたいと訴えるような気がします。
地盤が固いのですから、世襲候補者は一般候補者より当選しやすいと思います。
当選回数が多くなると安定感が見られるようになり、また当選しやすくなることあると感じます。

そんな世襲議員を選挙で破るのは難しいと思います。
仮にブームや時勢に乗って一般候補者が当選したとしても、次の選挙では世襲候補に敗れることもあるような気がします。
ブームに乗った候補者や、有名人候補者が当選すると、あきらかに国会議員としての見識を持ち合わせていないと感じることもありますので、そのような議員が一期で消えるのは当然だという気がしますが、世襲候補が議員に返り咲くようなら、それはそれで個人的に引っかかるものがあります。

それにしても、お父様から固い地盤を引き継いだ候補者は、本人の器量や適性とはかかわりなく、選挙に有利になる場合が多いと思います。
親の秘書として政治の世界に身を置くことで経験を積み、政治家としてのノウハウや見識を得ているかもしれませんが、政治家の子供が政治家として優れた資質を備えているとは限らないと思います。
家柄や血筋のおかげで選挙に当選し、その回数を重ねることで大臣になっているのでは、個人的に釈然としないものがあるのです。

世襲は政治家に関わらず、社会全体で見られることだと思います。
大企業でも、代々創業家が実権をもっているところがあると耳にすることがあります。
意外な気がする時もありますが、大企業であり続けられるのですから、世襲は企業にとって必ずしも“よくないこと”とはいえないのだろうと思います。
しかし、企業にとって必ずしも“よいこと”でもないと思います。

政治家は、跡取りが代々継いでいくべきではないと思います。
大きさに違いがあると思いますが、政治家はみな権力を有していると思います。権力には利益が関わってくると思います。
政治家一家が代々世襲していくということは、権力がずっと一所にあり続けるということになると思います。
そしてそこに、利益を求める者が集まり続けるということになると思います。
それは、権力も利益も同じところにあり続けるということになると思います。
それは社会にとって“よくないこと”だと思います。

権力が同じところにあり続けると、“いい思い”をする人間も同じであり続けることになりやすいと思います。
得する人間はずっと得をし続ける。そうでない人間が得しようと思ったら、得する人間の真似をするしかない。そうなることもあると思います。
そのような社会が“よくない”と思います。
しかし、権力と利益が集まる場所にいる人間たちにとっては、“いいこと”かもしれません。

 権力が同じところに集まり続けるのは、多選でもなり得ると思います。
 地方の政治と国の政治では形が違っていることもあって、首長の権力はとても強いと聞きます。
同じ人が何期も首長を務めるということは、まさに権力が同じところにあり続けるということになると思います。
権力には利益が集まるものだと思います。
また権力者の座に長くつくほど、権力が強まることもあると思います。

また、政治家が同じ家系ばかりでは、政治が硬直すると思います。
政治家の息子が秘書を経て後を継ぐとなると、政治に対する姿勢や考え方も引き継がれる場合が多いと思います。
親の跡を継ぐのですから、政党も親と同じ党に属する場合がほとんどだと思います。
固い地盤をもつ世襲候補は選挙では有利ですので、政党も世襲を歓迎するだろうという気がします。
政治家の考え方が変わらず、利権は引き継ぎされ続け、同じ政党が与党であり続けるのでは、政治に変化は起こりにくいと思います。

しかし多選首長も世襲議員も、時に独裁者も、民主的な選挙で生まれるものだと思います。
固い地盤を持っているとは、票を持っているという見方も出来ると思います。権力は一か所にある期間が長いほど、さらに強まるものだと思います。
また首長の多選には、住民が変化を求めない結果だと感じることもあります。
人々が安定を求めており、変化などしないほうがいい、という意識が多選という形で表れているような気がします。

しかし、やはり権力と利益が同じ場所に留まりやすい多選と世襲は、社会にとって好ましいことではないと思います。
しかし、選挙ではそうなってしまいやすいと思います。

そうなると、法律で規制するべきだという気がします。