2014年10月13日月曜日

金融至上主義経済とグローバル化至上主義経済の呪縛が抱えるリスク

『日本人が欲しがるものを、日本で作って、日本で売る』
 日本の経済にとって、大切なことだと思います。
 しかし、今の日本にはそのような意識が希薄だと思います。

『外国に売らなければ国は潤わない。何とか外国に売り込まなければならない』
 それも日本経済にとって、大切なことだと思います。
 今の日本にはその意識がとても強いと思います。
 しかしその意識が強すぎることが、現在の日本経済に芳しくない影響となって表れているように感じます。

ただ経済の方針は、100%その方向に傾けるというわけではないと思います。
日本で作ったものを外国に売るのは、経済成長には欠かせない要素だと思います。国内だけでお金が回っているだけでは、なかなかお金が増えません。
外国から日本にお金を支払ってもらう必要があります。
そのためには、日本で作ったものを、どんどん外国に売るべきだと思います。

しかしその考え方には、日本経済の過去の栄光にすがっている心理が主導している一面が多少なりともあるように感じます。
輸出大国だという観念を、現在の実態以上に強く抱いている人が少なくないような印象があります。
それを全面的に否定するつもりはありません。自負心は大切だと思います。それは活力を引き出すこともあると思います。卑屈になったり、萎縮したりしていては、経済の雰囲気を悪くすることはあっても、良くなることはないと思います。
また実際に今でも、日本製品は世界中で高い信頼を得ていると思います。

ただ現状をみれば、円安になっても輸出が期待したほど伸びていません。
生産拠点を海外に移している企業が多いことは理由の一つだと思います。
それはかねてから指摘されていたと思います。
そして他にも要因はあると思います。
他の国の企業の台頭によって、日本製品の優位性は、かつてほどではないと思います。“過去の栄光”があるために、頭では分かっているもの、心では認めていない、そう感じることがあります。

また今の世界経済は、とても難しくなっていると感じます。
多くの国が経済で繋がっており、そこには各国の思惑が絡み合っている印象があります。
それに“金融至上主義経済”といえるような状況になっていると感じます。
それは、予測が難しくし、振れ幅を大きくしていると感じます。
安定性が低く、危険性が高いといえるような気がします。

昨年から日本が行っている経済政策は、『金融の仕組みを使って円を安くし、株価を上げて企業をよろこばせ、給料をあげさせる』という考え方だと思います。
しかし今の経済状況からすると、思惑通りとはいえないと思います。
円が下がっても、思惑通りに輸出は伸びず、株価が上がっても、思惑どおりに給料があがっていないように見られます。

今の日本の景気にいい印象をもっている人は、そう多くないと思います。
 少なくても、一年前にくらべると大分減ったと感じます。
経済に対する雰囲気は決していいとは言えないと思います。
それは消費の冷え込みが大きいと感じます。
 物価があがっていることが、その大きな理由だと思います

 給料が上がるため、物価が上がっても消費活動は落ちないと見込んでいたのだと思います。
しかし今の状況はそうなっていないため、消費が冷え込んでいると感じるのだと思います。
 それは今の日本経済において、大きな問題の一つだと思います。

 国の中で需要と供給のバランスがとれると、消費の活性化にも繋がると思います。
『国内で生産したものを、国内で消費しても、国内でお金が回るだけで、国内のお金は増えない』
そうかもしれません。
 しかし生産したものを販売する時には、多くの場合、価値が乗せられているものだと思います。
 生み出したもの、作り出したもの、それを売ると、利益が生まれるということです。
 
生産する人も、消費する人も、国内だけでは人数が限られます。そのため利益が生まれるとはいえ、決して大きくないと思います。
また人口減少は、生産者も消費者も少なくなるということだと思います。
ただ、新機種がでるたびに多くの人が並んで購入する商品もありますし、日本の市場にも売り切れている商品は多々あると思います。
『買い控えているとはいえ、何も買えないわけではない』そういう人も少なくないと思います。
『買い物を控えているけど、これは買いたい』そう思える商品が少ないのだと思います。

人口が減少しても、国内で生産と消費が円滑に回り続ければ、上りスパイラル状にお金が増えていくと思います。
螺旋階段を上り続ければ、少しずつでも確実に高い場所に向かうと思います。
また国内で回っていれば、世界経済の影響を受けにくいと思います。このところの世界経済は、安定性が低く、危険性が高い、と思います。その影響を受けにくいことは利点だと思います。
それは日本経済の足場を固めることになると思います。
足場が固めることは、世界との競争にもいい影響があると思います。

100%完全に方針転換をするべきだとは思いません。それはあまりにも現実的ではないと思います。
ただ『日本人が欲しがるものを、日本で作って、日本で売る』それはとても大切なことだと思います。今の、そしてこれからの、日本経済にいい影響をもたらすと思います。

しかしその観念があまりにも希薄だと感じます。