2014年10月2日木曜日

人間が直面している問題

数年前から、自動運転車の研究が進んでいると話題を見聞きするようになりました。
アメリカでは公道での試験走行が行われているそうです。改めて技術の進歩の速さを感じます。
 自動運転車は日本でも開発が進んでいるようですが、公道で走行試験をしているという話は聞きません。
 アメリカと日本では道路環境や法律が違いますので、それだけで開発の進度に違いがあるとは言えないと思いますが、自動運転車を市販する時期はアメリカのほうが早くなりそうだと聞きますので、そのことからもなんとなく日本の自動車メーカーは開発に水をあけられているという印象を受けます。

 アメリカの公道で自動運転車の試験走行が認められている地域では、車を運転しているときに自動運転車を見かけるのは、それほど珍しいことではないようです。
 つまりいつも通り車を運転していると、自動運転車が前を走っていたり、合流して来たりすることが増えているというのです。
 そんな一般車両からみた自動運転車の様子を書いた文章が、インターネットにありました。

 読んでみると、非常に詳細に書かれています。
それによると、自動運転車は通行の流れに乗るような走行をするそうです。
ただ、やはり運転の仕方というか、走らせ方に独特というか風変りだと感じられることもあるようです。
 自動運転車の走行には特性があるとのことです。自動運転車が市販され、通常の車両と共に道路を通行するなら、運転者はそれを理解する必要があるようです。

 またこの記事には、自動運転車の問題点を指摘しています。
 そのいくつかは法整備に関するものです。
“自動運転車に乗って走らせる者に免許は必要か”
“もし自動運転車が交通違反をした場合、罰金を払うのは誰か”
“もし自動運転車が交通事故を起こした場合、責任の重さをどのように分けるのか”
 
実際に自動運転車が市販され、通常車両と一緒に道路を走るようになれば、それまで思いつきもしなかった事が色々とあるだろうと思います。
 自動運転車の場合、その性能が向上すれば、問題点なども変わってくると思います。その変化の幅は、通常の車両より大きいような気がします。
 そう考えると、柔軟な法整備が求められるような気がします。
 日本の道路交通法は、その点について“良い”とはいえないような気がします。

 自動運転車の事故については、かねてから様々な懸念を耳にします。
 誰がどの程度の責任を負うのか、それを決めるのが難しいということもその一つです。
 この責任の分け方は、自動運転車の性能によって変わってくるようにも思われます。
 しかし新型車が発売されるたびに、法律を変えるわけにもいかないと思います。
こうして考えると、やはり非常に難しいことだと思います。
そして非常に難しいことは、早くから検討や調査を始めるべきだと思います。
日本がどの程度、それを進めているのかわかりませんが、アメリカより遅れているのは確かだろうという気がします。

 また自動運転の判断などに関する懸念や疑問を見聞きすることがあります。
『歩行者が飛び出した。それをよけるには対向車線に出るしかない。しかし大型トラックが向かってきている。対向車線に出たら衝突は避けられない』
『そのような状況に直面したとき、自動運転車はどのような判断を下すべきか』

『歩行者を避けるため対向車線に出ると、自動運転車に乗っている人物は間違いなく大怪我をする。もしかしたら命を落とすかもしれない。また対抗してくる大型トラックの運転手も怪我をする可能性がある。仮に身体は無事でも車両は間違いなく損傷する。それに積荷に損害が出るかもしれない。ただ運送業務に支障がでることは間違いない。大型トラックの運転手に落ち度や非はないのに、だ』

『しかしどんな急ブレーキをかけても、ハンドルを切らなければ、飛び出した歩行者を間違いなくはねてしまう。路肩側にハンドルを切ったら、むしろ飛び出した歩行者に向かってしまう』
『飛び出した歩行者をはねないようにするには、対向車線にでるしかない。搭乗者に命に係わる大怪我を負わせ、しかも無関係の対向車に大きな損害を与えるしかない』
『しかし搭乗者の身体を守り、第三者に被害を及ぼさないためには、飛び出した歩行者をはねしかない』

『搭乗者と第三者を守るため、歩行者をはねてしまうべきか』
『歩行者を守るため、搭乗者が命に係わる大怪我をさせ、無関係の対向車に損害を負わせるべきか』

『どちらであれ、その判断の責任を誰がどの程度負うべきなのか』

 人間が運転している時は、考えている暇はないと思います。脳は瞬時に判断していることもあるような気がしますが、“思考し判断する”と自覚することは出来ないと思います。
 体が勝手に動くというか、意識せずに行動するものだと思います。
“自動運転車はどう判断するのか?”
そうではなく、これは人間が直面している問題だと思います。

“自動運転車がどう判断するように作るのか?”