2014年10月6日月曜日

滅亡する間際に訴えること

 自律型戦闘ロボットが実戦投入されると、それは瞬く間に世界中に広がると思います。
 戦闘に有効な兵器を持っている側は、その兵器を持っていない側より、優位に立てることがあると思います。
 紛争や戦争の態様は、様々ですので一概には言えませんが、戦闘に役立つ武器を持っているほうが有利といえる場合が多いと思います。
 戦闘において有利ならば、争いそのものが優位になることも少なくないと思います。

 そうなると誰もが有効な武器は独占していたいと考えると思います。
 そして誰もが我先に、有効な武器を手に入れようとすると思います。
 自律的に戦闘を行うロボット兵士は、今日の戦争において有効な兵器であると考えられると思います。
 
 かつての戦争では、一般市民が大量に殺戮されたことがあると思います。それが軍事作戦として当たり前だと考えていた軍人や政治家がいたのだと思います。
 しかし今の戦争では、民間人を犠牲にしてはならないと考えている人が多いと感じます。多くの民間人を標的にして攻撃するなど、その非人道性を世界中が非難するようになっていると思います。

 民間人を犠牲にせず、軍事施設や兵器や軍人や独裁者だけを攻撃するには、的を絞らなければなりません。
 そのため、近年は空爆やミサイル攻撃の精度が飛躍的に高まっているようです。
 しかし正確に的を狙える技術は、的を特定しなければ意味をなさないと思います。精度が高いがゆえに、的の特定が間違っていた場合、攻撃の成果はなにもないと思います。
 ただ相手側もそれは承知していますので、攻撃対象を正確に特定することは難しくなるばかりだと思います。

 そうなると、極力市民の犠牲者を出さないために、的を絞った攻撃をするには、相手に近づかなければならないと思います。
しかし近づくということは、その兵士は危険になると思います。兵士に犠牲が出る可能性が高くなると思います。
それが人間の兵士ではなくロボットだったら、壊れることもあっても、人間の兵士が負傷したり命を落としたりすることはないと思います。
敵に接近し攻撃対象を絞り込み、そこを的確に破壊するという、精密で精度の高い攻撃が可能になると思います。

そう考えると、ロボット兵士は今後有効な兵器になると思います。
そのため開発に力が注がれているのだと思います。
有効な兵器を持っている国は、優位に立てると考えられています。世界で一番目にロボット兵士を実戦配備することが重要になると思います。
有効な兵器を一国だけが持っていれば、争いやその交渉でも優位になる場合があると思います。

それにしてもロボット兵器は、敵に近づくことで有効に使えると思います。
しかし敵に近づくということは、敵の手に渡りやすいということにもなります。
有効な兵器ならば、敵はそれを入手し、自軍での開発に利用しようとすると思います。
またテロリストやゲリラならば、敵対する側のロボット兵士を捕獲し、改造して自分たちの戦力にしようとすることもあると思います。
そのようにして奪ったロボットを、相手側のロボット兵士に立ち向かわせると思います。

戦闘は急速に様相を変えるかもしれません。
世界中でロボット戦争が起きるかもしれません。
ロボット兵士同心の戦闘となると、アニメや映画ではかっこよく描かれ、多くの人たちを楽しませてくれると思います。
しかし現実の戦争で、自律的に人間を殺戮するロボット同士が戦闘を行うと、恐ろしいことが懸念されます。

人類は、戦闘で人間を殺すことに関する倫理観をなくしてしまいそうな気がします。
それに自軍の兵士に危険が劇的に少なくなることで、戦争を回避する意識が薄らぐような気がします。
しかし、人間はそんな心理の変化に気づかないと思います。
あくまでも「自分たちは正しいのだ。そのために戦うのだ。ロボットを使って」と考えるものだと思います。

そして世界中で戦争が頻発し、そのすべてがロボット兵士を用いることで激化することもあり得ると思います。
自覚なく倫理観を崩壊させた軍人は、ロボット兵士に民間人の殺戮を命じかもしれません。
自覚なく倫理観を崩壊させた民間人は、その作戦を支持するかもしれません。
世界は再び、多くの民間人を攻撃の対象にするかもしれません。

ロボットよりも手っ取り早く、大量の一般市民を殺戮する兵器を人類は持っています。
人類史上三回目以降の核攻撃が行われるかもしれません。
自覚なく倫理観を崩壊させた軍人は、核攻撃に対する抵抗感もなくしているかもしれません。
自覚なく倫理観を崩壊させた民間人は、核攻撃を支持するかもしれません。
そして核攻撃の応酬が起こるかもしれません。
かねてから予想されているように、人類は核兵器によって滅亡するかもしれません。
人類は、人類を複数回、滅ぼすだけの核兵器を持っていると聞きます。

人類は滅亡する間際になっても、自分たちが倫理観を崩壊させたこと、それが人類を滅ぼす理由になったことを自覚出来ないと思います。
あくまでも「自分たちは正しいのだ、正しい戦争なのだ」と訴えながら、人類は滅んでいくと思います。