2015年5月17日日曜日

独裁性

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2015年5月 17日「独裁性」

概要
独裁は、民主的な選挙で生まれることもあると思います。選挙によって非常に多くの得票を集めた人物や政党が、大きな権力を得ることがあると思うのです。
民主的な体制下では、原則的に多数決によって意思決定されるものだと思います。一つの政党に多くの票が集まり、議会において多数派を占めることになると、その政党の主張が通りやすいと思います。
また大統領制など、国民による直接的な選挙で国のリーダーを決める体制では、その人物に強い権限が与えられていることが多いと感じます。
 強い権限をもつこと、それは即ち権力をもっているといえるような気がします。
 しかし大統領にしろ、政党にせよ、票が集まれば必ず独裁になるというわけではないと思います。多くの票を得た大統領でも、議会と対立するなどして、独断で政治を行うわけにはいかない状態になることがあると思います。
 また一つの政党が多くの議席を獲得した場合、党内の一人、あるいは少人数に意思決定権が集まらなければ独裁にはならないと思います。
 つまり独裁とは、権力が集中していることだといえるような気がします。今の日本の政治は、『独裁性が高い』と感じます。
迅速に意思決定が出来るなど、状況によっては独裁にも利点があると思います。しかし独裁政治最大の難点は、独裁者が“人間”だという点だと思います。どれだけ清廉な人格者であったとしても、独裁が出来るとなると心理は小さからぬ影響を受けると思います。
 またどれだけ有能であっても、一人の能力では、国を支配するには不足だと思います。

しかし権力者は、自分の意向に沿う人物を集めるものだと思います。自らを戒めようと自分の意に沿わない者を身近に置いたとしても、権力が強まるほどその声が聞けなくなることが多いような気がします。独裁者である前に人間であり、人間とはそういうものだと思います。