2015年5月22日金曜日

生き物を食するということ

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2015年5月 22日「生き物を食するということ」


概要
捕鯨やイルカの追い込み漁は『ロビー活動の敗北』という声を耳にします。
その通りかもしれません。しかし感情に引かれた思考は、冷静な論理で覆すことは相当に難しいものだと思います。正しい情報に基づいていないとしても、また他者の思惑によって誘導されていたとしても、『イルカが可哀想』というのは感情だと思います。そういう感情は人間にとって大切だと思います。しかし感情を理由にした要求は、時に理不尽なことがあると思います。
『他の動物だって可哀想じゃないか』という主張も、あまり意味をなさないと思います。
『ほかの動物も可哀想だ』ということに同意したとしても、『イルカが可哀想だ』という感情が薄らぐわけではないと思います。むしろ、『論点をそらしている』と受け止められると逆効果になりかねないと思います。『他にも可哀想な動物がいるからといって、それでイルカの虐殺がゆるされるわけではない』
 また伝統や文化は、その国や地域にとって大切であっても、他の地の者にはなかなか理解されるものではなく、感情に駆られた人たちが伝統の重みを感じとることはないと思います。
 感情による行動を覆すことが出来るのは、より強い感情しかないのかもしれません。
偽善の中にある下劣な欺まんを、多くの人が納得できるように暴き、多くの人が信じられるように、広く発信することが出来れば効果があるかもしれません。忌むべき偽善を白日の下にさらして、欺かれていた人たちに、欺いていた偽善者に対する怒りの感情を、『可哀想だ』という感情よりも強く掻き立てることが出来れば、状況は変わるかもしれません。
テレビ番組の嘘や、映画の誇大な表現を示しただけでは、強い怒りを掻き立てることは出来ないと思います。