2015年5月29日金曜日

住民投票のもつイメージ

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2015年5月 29日「住民投票のもつイメージ」

概要
 住民投票は究極の民主主義ではないと思います。民主主義の理想的な形でもないと思います。むしろ民主主義が上手く機能していない表れだと感じることがあります。
 民主主義は“偉い人”や“賢い人”の一存で全体のことを決めるのではなく、話し合いで決める仕組みだと思います。多数決を行うということは、議論で結論を出すことが出来ないということだと思います。
住民投票よりも、話し合いで多くの人から同意を得たり、少数派の意見を取り込んだりして合議するほうが、民主的だと思うのです。そして合議するには、対立する双方に譲歩や妥協が不可欠だと思います。
また、多数派が少数派の声を汲み取ったり、取り入れたりすることが必要だと思います。
住民投票ではそれは起こりにくいと思います。住民投票の結果は即ち、多数派の意見を取り入れることを全体が認めたことになるからです。つまり多数派の意見を採用するお墨付きであり、少数派を切り捨てることが許されたと認識されやすいと思います。
少数派の意見を取り入れることは、間接民主主義のほうが起こりやすいと思います。多数派を形成するために、内部の意見が多様化することが少なくないからです。
また小数派の意見を蔑ろにしたのでは、次の選挙で不利になることもあり得ると思います。傲慢な政治運営が有権者から嫌われ、それが得票数を減らす要因になることもあると思います。
ただ間接民主主義も問題が多々あると思います。世襲は民主的とは言えない制度だと思いますが、民主的な選挙によって世襲議員が生まれているのだと思います。
また民主的な選挙によって、独裁者が生まれることがあると思います。“国”には政治のリーダーを置く必要があると思います。そうなるとその人物が、自身と周辺に権力を集中させることがあると思います。
ところで今の日本の政治リーダーの立ち振る舞いは、独裁者のそれではないと思います。お山の大将のものだと思います。