2015年8月10日月曜日

一般人の肖像権

エムズ日記は電子書籍で販売しています。
全文はそちらで。


2015年8月 10日「一般人の肖像権」


概要
 先日、テレビの報道番組か情報番組が、猛暑について取り上げていました。そのなかに、街の人たちの様子を撮影した映像がありました。汗を拭いたり、扇子であおいだりしている人たちを映していたのですが、若い女性のうなじを撮った映像もありました。汗が玉になって噴き出していましたので、その映像からも暑さが伝わってくると感じました。
 ふと『この女性は、撮影されていることを了承しているのだろうか』、仮に了承しているとすると『テレビ局のスタッフは、撮影する前に、撮影することと放送することの了承を得たのだろうか』、それとも『撮影をした後で、撮影していたことを伝えて、放送する了承をえたのだろうか』、それとも『撮影することも、放送することも、了承を得ていないのだろうか』、という疑問が湧きました。
 思い起こすと、猛暑や大雨の時の市民の様子を撮影した映像には、時々薄着の女性や、全身がぬれた女性が映っている気がします。報道に関する映像ですので、性的欲求を強く喚起するような映像ではありませんが、撮影している人が、カメラを向けている女性に対して、絶対に性的な関心を一切抱いていないのかというと、そうとはいいきれないような印象を受けます。
 ところで少し前に、鉄道が線路上に停止し、乗客が徒歩で最寄り駅に向かったことがありました。
 それを報じるテレビ番組は、その最寄り駅のホームから、線路を歩いてくる人たちを撮影して、放送していました。歩いて来た人達の中に、カメラに映りたくない人や、テレビで放送されたくない人がいたとしても、それを拒みようがないと見えました。線路から出るわけにはいきませんし、ホームに上がらなければなりませんが、そのホームに置いたカメラが撮影しているとなると、撮影されたくなくても、撮られざるを得ないように見えました。報道は公共性があるものですので、市民には『カメラに撮られたくない』とか『自分の姿を放送されたくない』などという権利はないのかもしれません。