2015年8月16日日曜日

可もなく不可もなく、そつがなく、意味がない

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2015年8月 16日「可もなく不可もなく、そつがなく、意味がない」

概要
少し前にアメリカの議会で日本の首相が演説をしました。先日、首相は戦後70年談話を発表しました。どちらにも感じらえたのは、『そつなく、上手にまとめた』というものです。どこからも大きな批判を受けることはなく、しかし誰からも大絶賛されることのない、そんな談話だと感じます。
ただ保守派は大喜びではないものの、概ね好評だと感じます。
『言いたいことを思いっきり言いたい。でも隣国の関係悪化は避けたい』
保守層はそんな葛藤を、首相と共有しているような感覚があったと感じます。それに隣国から大反撥されるような談話を発表したのでは、アメリカをはじめ世界中から批判されることが目に見ています。
『言い回しを工夫しなければならないし、ある程度は抑えた内容にしなければならない。でもその上で、出来るだけ言いたいことを言ってほしい』そう考える保守層が少なくなかった感があります。
 そして発表された談話に対して『言いたくないことをはっきりと言わずに済ませた。でも言いたいことは、なんとか言えた』と、保守派の多くが感じているような気がします。
韓国が一定の理解を示したのは、関係改善を模索しているためだと思います。今回の談話が発表される前から、その道を探っていたと思います。戦後70年談話がそれを悪化させることはなかったと思います。しかし進展させることもなかったと思います。
中国のメディアでは、日本の戦後70年談話に批判的な論調もあるようですが、国同士の関係が悪化することはないと思います。ただ関係改善に役立つこともないと思います。
 戦後70年談話は、どの角度から見ても、プラスもなければ、マイナスのないような気がします。

しかし、談話を発表するまでに、日本は政治的なエネルギーを注ぎ込まなければならなかったように見えます。それはマイナスだと思います。