2015年8月1日土曜日

引き金を引くことだけを人間に任せると

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2015年8月 1日「引き金を引くことだけを人間に任せると」

概要
小型ドローンは、多数の機体を連携させて飛行することが出来るそうです。銃器を発砲する複数のドローンが、まるで人間の特殊部隊のように連携して敵を攻撃する、近い将来そんなドローン強襲部隊が編成され、実戦に投入される日がくるかもしれません。
 敵が潜伏しているという情報があるものの、内部の状況が確認できない、そんな状況下で有用になるかもしれません。また自爆しようとしているテロリストを制圧、もしくは射殺することにドローン部隊が使われるかもしれません。
ところで数年前から、「殺人ロボット兵器」などと呼ばれる、自律的に行動するロボット兵器に開発に対する批判を耳にします。『人間を殺害する判断を機械が下すべきではない』とか『誤射によって無垢の犠牲者が出た場合、責任の所在が明確ではない』などです。
そんな中、自律的に人間を殺すロボットは技術面で難しい点が多々あるという話も聞きます。批判も高まっていますので、殺人ロボット兵器が実用化されるのは、以前の見込みよりも遠のいた感があります。
 しかし兵器における無人化と自律性の向上は、着実に進んでいると感じます。軍用無人航空機は、人間が遠隔操作するため、殺人ロボット兵器ほど強い批判は受けていないと感じます。
 そこで、銃器を搭載した小型ドローンが、自律的に飛行して敵と認識した人間を照準に捉え、引き金を引くことだけを人間による遠隔操作に任せるようなものが出来るかもしれません。
 つまりドローンが遠隔地にいる人間に映像を送りながら、敵を見つけだし、狙いを定めるのです。しかし自律的に発砲せず、引き金はあくまでも人間が遠隔操作によって引くということです。引き金を引くのが人間なのですから、「殺人ロボット兵器」に対する批判はあたらないと思います。
 しかし引き金を引く人間の心に、相当な重荷を負わせることになるような気がします。
 軍用無人航空機を操縦する兵士の、心理的な負担は大きいと聞きます。