2015年8月2日日曜日

エンブレム

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2015年8月 2日「エンブレム」


概要
人は誰でも、意図的であれ、無意識であれ、広く知られている出来事や、過去の有名な作品から発想を得るものだと思います。他者と同じ事物から影響を受けていることも、稀ではないと思います。そもそもすべての人が、ホモサピエンスという同じ種の生き物ですから、他者と発想が似ることも珍しくないと思います。
創作物は、模倣する意図がなくとも似ることはよくあることだと思います。人類の歴史は長く、世界には大勢の人間があらゆるものを生みだしているのですから、そのどれともまったく何にも似ていいないものを創作することは、非常に難しいと思います。
そのためか、芸術性が重んじられる創作物には、今までに誰も見たことがないような独創的なものが、高い評価を得ることがあると思います。“万人受け”する作品が、評価されない場合もあると思います。
 ただ、オリンピック・パラリンピックのエンブレムは、人種や老若男女に関わらず、多く人から受け入れられるデザインが求められると思います。あまり複雑すぎてはならず、あまり突飛な造形ではならないと思います。
そうなると、何かに似る可能性は高いと思います。そしてデザインに限ったことではありませんが、創作者の中には意図せずに他の創作物と似てしまうことが稀ではないことを認識している人が多いと感じます。
オリンピック・パラリンピックのエンブレムとなると、多くの人が目にし、金銭の動きも小さくないと思います。そのためか、似ているという声があがることはよくそうです。しかし世界中のすべてのデザインとの類似を完全に避けることは困難ですので、見間違うほど似ていなければ、権利の侵害が認められることは少ないようです。
「またしても、東京オリンピック・パラリンピックにケチがついた」と感じている人もいるように感じます。エンブレムに対して批判的な声もあるようです。
ただこの件は、新国立競技場に関する“ごたごた”とは、本質的に全く違うと思います。