2013年12月12日木曜日

軽減税率導入の根拠



『一兆円の予算を使うのならば、より効果的な低所得者対策があるのではないだろうか』
無理に反対意見をひねり出したのではありません。自然に浮かんできた発想です。
自然に浮かんできたということは、当たり前の考え方といえるような気がします。

そのような考えが浮かんだのは、軽減税率は低所得者対策としては不十分だと思われるためかもしれません。
不十分な低所得者対策に、一兆円もの予算をかけるようとしていう印象を受けるためかもしれません。
しかも強引にそれを進めようとしている感があるためかもしれません。

軽減税率は低所得者対策としては十分ではないと思います。
それなのに、軽減税率の導入を進める論理的な根拠は聞かれないような気がします。
そうなると、『低所得者対策ではない別の理由があるのだろう』、という考えが、当たり前に浮かんでくるものです。

人は生きるために必要なものがあると思います。それは買わなければならないことが多いと思います。
お金をたくさん持っている人、お金がたくさん入ってくる人は、生きるために必要なものを買っても、まだたくさんお金が残ると思います。

お金を少ししかもっていない人、お金が少ししか入ってこない人は、生きるために必要なものを買うと、お金が少ししか残らないと思います。お金がなくなってしまう人や、お金が足りなくなる人もいると思います。
そこで食べ物など、生きるために必要なものは税率を低くしようという考えが軽減税率だと思います。

ただ、お米には高価なブランド米もあれば、手ごろな価格のお米もあります。
専門店で売られている高級食パンもあれば、スーパーで特売品の食パンもあります。
お金持ちは高級なお米を買う人が多いかもしれません。
高級なお米と安価なお米で税率を変えるべきだ、という意見が上がるかもしれません。
しかしそれは、買う人にとっても、売る人にとっても、わかりにくい面があると思いますし、色々と面倒なことがあると思います。

貧しい人は高いお米を買うことは少ないと考えられます。
しかしお金持ちでも、出来るだけ安いお米を買うかもしれません。
消費税は、豊かな人でも貧しい人でも、同じお米を同じ値段で買えば、同じ税金を払う制度です。
軽減税率を導入しても、それは変わりません。
そのため、軽減税率は低所得者対策としては、不十分な制度だと思います。

軽減税率がなくても、消費税は多くの買い物をする場合ほど、多くの税金を納めることになると思います。
軽減税率がなくても、消費税は高い買い物をするほど、高い税金を納めることになると思います。

軽減税率に一兆円のお金をつかっても低所得者対策としては不十分だと思います。
そうなると、別の低所得者対策を施さなければならないような気がします。
それにはさらに予算が必要だということになると思います。
しかし不十分な低所得者対策に一兆円も使ってしまっては、さらに予算をだすことが難しいと思います。
さらに税率をあげるべきという声があがるかもしれません。

『軽減税率を導入しているのだから、低所得者対策をやっているじゃないか』
そう言って、有効な低所得者対策が実施されないかもしれません。
そのうえ軽減税率の一兆円のために、増税されるかもしれません。
それでは、軽減税率は国民の負担を重くするための制度だといえるかもしれません。

そんな制度を強引に進めようとしているように見られるということは、”ぶれない”とは感じられません。
軽減税率を導入する論理的な根拠が述べられていないため、なおさらそう感じます。
根拠を論理的に説明でないまま、政治家や政党の存在感をしめそうと必死で”しがみついて”いるような印象を受けます。

また利権にも”しがみついて”いるような印象も受けます。
政治家が利権にしがみつかないようにするべきだなどと言っても、言うだけで変わるはずがないことを多くの人がわかりきっているような気がします。

軽減税率導入を進める声には、「自分のため」と感じられることがあります。
『国民みんなの負担が重くなっても構わない。自分のためだ』
そこには”利権”が介在すると思います。
軽減税率は利権にしがみついている人たちのための制度といえるかもしれません。